「ナナメ観!特撮映像館」第八回目となる今回は、1980年公開の「宇宙怪獣ガメラ」。「大映」の社名と版権を継承した新会社によって復活した「ガメラ」だが、本作でのガメラ登場シーンのほとんどは過去の作品をつないだものである。
「新作を作るのだが特撮シーンまで撮り下ろす予算がない」ことから、過去の作品からガメラの格闘シーンを抽出し、脚本の高橋二三にそれを元にしてストーリーを依頼したということである。

過去作品のフィルムの流用といっても、単に総集編ではなく、新たなストーリーの元に編集されているので、お話としてはまとまっている。またドラマ部分は完全な新作として撮り下ろされてもいるので、それなりに「ガメラ復活」作品として評価してもいいだろうが、どうしても過去作品のインサート部分に目がいってしまい新鮮さには欠けてしまう。

また宇宙の平和を守るというマッハ文朱ら女性3人の宇宙人のコスチュームの垢抜けなさも本作の新鮮さをそいでいたように感じる。

話題作りから『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』のアニメ合成、また「少年ジャンプ」や『こちら亀有公園前派出所』のマンガや、主人公そっくりな警官を登場させるなど、なくてもよかったんじゃないかと思える演出も多い。

ライバルである「ゴジラ」も制作されていない時期でもあり、この時点での「ガメラ」の復活は単発で終わってしまった。いろんな意味でおしい作品だったといえるかもしれない。

この作品が作られた背景を考えてみたとき、「大映」復活に際してその代表作のひとつである「ガメラ」を復活させようという意図があっただろう。さらに新たに制作するについては、旧シリーズ同様のコンセプトで、ということもあったと思う。つまり80年当時の子供たちに向けた娯楽作品ということだ。しかし「ゴジラ」の「VSシリーズ」、「平成ガメラシリーズ」は、結果的に観客として子供が集まることは意図していながら、子供のころに怪獣を観て育った親たちが劇場に足を運ぶ(子供をだしにして)ということがあったからこそのヒットという要因が大きかったと思う。その意味でこの『宇宙怪獣ガメラ』の時点ではそういった環境がまだ整っていなかったということがいえるだろう。

ちなみにテレビでも怪獣・特撮は低迷の時期で、「ウルトラマンシリーズ」もこの年、やっと『ウルトラマン80』で復活したのだが、大ヒットとはいえない状況だったと記憶する。また『~80』の第1、2話を監督したのは「昭和ガメラシリーズ」の湯浅憲明だったと思う。

監督/湯浅憲明
キャスト/マッハ文朱、小島八重子、小松容子、工藤啓子、前田晃一、ほか。
1980年/日本/91分