毎週水曜連載の『うちの本棚』、第八回目となる今回は、水木しげるの『悪魔くん』をご紹介。
貸本マンガの末期に刊行された、水木しげるの代表作のひとつ。代表作となったのは、テレビドラマ化されたことが大きいだろう。
貸本版が刊行された当初は、貸本マンガが末期の時期であったこともあるが、売り上げが伸びず、結局当初予定していた完結まで描くことができなかったようである。
結果的にテレビドラマ化されることになり、貸本版とはまったくちがう設定と内容で「少年マガジン」に連載が始まる。

貸本版では、現代の救世主といったストーリーであったが、テレビドラマでは、悪魔メフィストの力で、妖怪退治をするという展開。「少年マガジン」版でもそのようなストーリーとなった。
同じなのは、主人公の少年と、悪魔メフィストが登場することくらいか。

水木はその後「少年ジャンプ」誌上で『悪魔くん千年王国』という、貸本版のリメイクの連載を行っている。また、その後『世紀末対戦』という貸本版の「その後」を描いた作品もある。

特撮ドラマ『悪魔くん』は、東映の制作で、まだまだ特撮作品に慣れていないものの、さまざまな試みが見られる秀作で、現在の目で見ても楽しめる作品だ。エンディングには水木の原画も使われていた。
またテレビアニメーションも制作され、放送に合わせて「コミックボンボン」に「少年マガジン」版と同様の設定で、新たに連載されたものがある。

初出:東考社(貸本)/全3巻
   少年マガジン
書誌:サラ文庫(二見書房)/全2巻「悪魔くん」
   朝日ソノラマ/全2巻「水木しげる貸本傑作選・悪魔くん」
   太田出版/「定本悪魔くん」
   ※以上「貸本」版収録単行本
   講談社コミックス/「悪魔くん」
   サンコミックス(朝日ソノラマ)/「悪魔くんの冒険」
   パワーコミックス(双葉社)/全2巻「がんばれ!悪魔くん」
   サンワイドコミックス(朝日ソノラマ)/「悪魔くん」
   ※以上「少年マガジン」版収録単行本