はじめまして、フリーライターの猫目ユウと申します。過去には「comic GON!」などでも記事を書かせていただいたことがありますが、このたび、こちらでマンガを中心とした書籍のコラムを連載させていただくことになりましたので、以後ヨロシクお願いいたします。
個人的にはマンガやアニメ、特撮など、そこそこマニアな傾向にありますが、ブログ以外になかなかその方面の文章を発表する機会がなかったので、みなさんには馴染みがないかもしれませんが、これまで「GON!」などのサブカル誌、レディースコミック誌、アダルト誌などで記事を書いてきました。

この連載では新しい作品というよりは過去に発表・刊行されたものを中心に、思いつくまま、時にはあまり知られていない作品などもご紹介してきたいと考えています。週一回程度の更新となる予定ですので、お気軽におつき合いいただければ幸いです。

■第一回 空の色ににている/内田善美

 初出:ぶ~け 昭和55年8月号~11月号
 書誌:ぶ~けコミックス

 第一回目の今回ご紹介するのは、集英社ぶ~けコミックスで昭和55年に掲載された「空の色ににている」(全1巻)。現在では伝説の漫画家扱いの内田善美の代表作である。
 基本的に単行本で作品を追いかける自分としては珍しく、連載時から読んでいた。4回の短期集中連載ということで1回のページ数も多く密度の濃い連載だった。しかもこれが内田善美の初めての連載だというのだから驚かされる。
 もちろん内田は、その当時新人作家ではなく、「りぼん」誌上で作品を発表し、単行本も刊行されていて実力も知られていたのだが、その人気はマンガよりもイラストにあったといってもよかっただろう。しかしこの作品によって、内田は間違いなく漫画家としても人気作家となった。
 主人公は入学したばかりの男子高校生。図書館で本を借りると自分より先に、決まって同じ本を借りている女子生徒がいることに気づく。
 彼女に急激に惹かれていく主人公だが、彼女には心ひかれる先輩がいる。奇妙な三角関係は、不思議と心落ち着く環境でもあった。
 長距離ランナーとしてその実力を発揮していく主人公。地方都市の高校を舞台とした、まさに青春ストーリーである。

 内田善美の魅力は、なんといってもその画力にあるだろう。イラストレーターとしても評価されるゆえんである。ともすれば、その画力に比べ、ストーリーが単純すぎたり、テンポが悪かったりする印象があったのだが、『空の色ににている』では、完璧なまでに画、ストーリー共に読者の胸を打つ。

 現在ではすべての著作が絶版状態になっていて入手も困難だが、ぜひ読んでほしい作品である。特に、主人公と同じ世代の人には一読をお薦めする。