坂の上の雲日本放送協会の大河ドラマ枠で『坂の上の雲』第3部が始まりました。
原作は司馬遼太郎による小説で、主人公は騎兵第1旅団長・秋山好古、聯合艦隊参謀・秋山眞之、俳人・正岡子規という、伊予国松山出身の3人です。

原作本は全6巻で(文庫版は全8巻)、各巻で記述されている主な出来事は次の通り。


第1巻・・・主人公の若い頃から日清戦争にかけて
第2巻・・・米西戦争、北清事変、正岡子規死去、日露戦争開戦直前まで
第3巻・・・日露戦争開戦~遼陽の会戦、沙河の会戦 
第4巻・・・旅順総攻撃、二〇三高地総攻撃、出師営の会見、黒溝台の会戦
第5巻・・・奉天の会戦
第6巻・・・日本海海戦 

これに対して、NHKのドラマ版では第4話で日清戦争、第5話で米西戦争、第7話で正岡子規死去、第9話で日露戦争開戦、第10話で旅順総攻撃、第11話で二〇三高地総攻撃、第13話(最終回)で日本海海戦を描いています。つまり作品全体に占める日露戦争の比重が、ドラマ版は原作と比べて低くなっており、その分、日露戦争の戦闘をかなり端折っています。全13話というのは話数が足りていません。どうせなら通常の時間帯で4クール放送しても良かった。

以下は、過去の映画やテレビドラマで『坂の上の雲』の登場人物を演じた俳優の表です。クリックしてご覧ください。

NHK大河ドラマ『坂の上の雲』ゆかりの土地を訪ねる

さて、本作の主人公の1人である秋山好古(演・阿部寛)は騎兵第1旅団長として日露戦争に参戦、遼陽の会戦、沙河の会戦、黒溝台の会戦、奉天の会戦などで活躍します。この騎兵第1旅団の所在地が、京成大久保駅近くの土地であり、現在の千葉県習志野市及び船橋市であります。以下の写真は筆者が2011年11月に撮影したものです。

▼京成大久保駅前商店街にある秋山好古の石碑

京成大久保駅前商店街にある秋山好古の石碑

▼京成大久保駅前商店街にある騎兵ミュージアム。好古の等身大パネルや、日露戦争関連の写真などが飾ってあります。

京成大久保駅前商店街にある騎兵ミュージアム

▼騎兵ミュージアムで売られている案内パンフレット。1冊300円也。

騎兵ミュージアムで売られている案内パンフレット

▼八幡公園にある旅団の門

八幡公園にある旅団の門

▼八幡公園にある、習志野騎兵旅団発祥の地という石碑

八幡公園にある、習志野騎兵旅団発祥の地という石碑

▼八幡公園にある、騎兵第一旅団司令部跡という石碑

八幡公園にある、騎兵第一旅団司令部跡という石碑

▼八幡公園にある、軍馬関連の石碑3つ

八幡公園にある、軍馬関連の石碑3つ

▼東邦大学の理学部・薬学部。騎兵第1旅団のうち騎兵第13聯隊がありました。

東邦大学の理学部・薬学部

▼東邦大学にある、騎兵第十三聯隊発祥の地という石碑

東邦大学にある、騎兵第十三聯隊発祥の地という石碑

▼東邦大学にある、騎兵第十三聯隊跡という石碑

東邦大学にある、騎兵第十三聯隊跡という石碑

▼東邦大学にある、司馬遼太郎の文学碑

東邦大学にある、司馬遼太郎の文学碑

▼東邦大学にある、南次郎陸軍大将が揮毫した石柱

東邦大学にある、南次郎陸軍大将が揮毫した石柱

▼東邦大学にある、明治時代に皇太子(後の大正天皇)が巡啓したことを記念する石碑

東邦大学にある、明治時代に皇太子(後の大正天皇)が巡啓したことを記念する石碑

▼日本大学生産工学部。騎兵第1旅団のうち騎兵第14聯隊がありました。

日本大学生産工学部。騎兵第1旅団のうち騎兵第14聯隊がありました。

▼日大にある、騎兵第十四聯隊発祥之地という石碑

日大にある、騎兵第十四聯隊発祥之地という石碑

▼日大にある、騎兵第十四聯隊之跡という石碑

日大にある、騎兵第十四聯隊之跡という石碑

▼日大にある、騎兵第十四聯隊が勅諭を賜ったことを記念する石碑

日大にある、騎兵第十四聯隊が勅諭を賜ったことを記念する石碑

▼日大にある、明治天皇御製の石碑

日大にある、明治天皇御製の石碑

▼日大にある馬の置物

日大にある馬の置物

▼日大にある碑誌

日大にある碑誌

次に、兒玉源太郎は日露戦争時に満洲軍総参謀長として現地で活躍した人物です。NHK大河ドラマ『坂の上の雲』では高橋英樹が演じました。神奈川県藤沢市江ノ島には兒玉を祀った兒玉神社があります。以下の写真は2009年10月に筆者が撮影した兒玉神社の入り口です。

兒玉神社の入り口 兒玉神社の入り口その2

続いて鈴木貫太郎は日露戦争に駆逐隊司令として参戦し、日本海海戦などで活躍した人物です。NHK大河ドラマ『坂の上の雲』では赤井英和が演じました。鈴木が幼少時代と晩年を過ごした千葉県野田市関宿町には鈴木貫太郎記念館があります。以下の写真は2009年12月に筆者が撮影したものです。

▼鈴木貫太郎記念館の外観。「為萬世開太平」という柱は鈴木が揮毫したもの

鈴木貫太郎記念館の外観。「為萬世開太平」という柱は鈴木が揮毫したもの

▼鈴木貫太郎記念館の石版。揮毫したのは鈴木貫太郎内閣の書記官長・迫水久常

鈴木貫太郎記念館の石版。揮毫したのは鈴木貫太郎内閣の書記官長・迫水久常

▼鈴木邸跡

鈴木邸跡

『坂の上の雲』の重要登場人物の1人・乃木希典は第三軍司令官として日露戦争に参戦し、旅順攻防戦を指揮した人物です。NHK大河ドラマ『坂の上の雲』では柄本明が演じました。

▼東京都港区赤坂にある乃木の邸宅。以下の写真は2010年10月に筆者が撮影したものです。

東京都港区赤坂にある乃木の邸宅。以下の写真は2010年10月に筆者が撮影したものです。

▼乃木邸の敷地は現在、乃木公園となっています。

乃木邸の敷地は現在、乃木公園となっています

▼乃木公園の横にあり、乃木を祀っている乃木神社

乃木公園の横にあり、乃木を祀っている乃木神社

▼乃木神社の前にある坂が乃木坂です。アニメ『乃木坂春香の秘密』のヒロインの苗字の由来はここでしょうか?

乃木神社の前にある坂が乃木坂です

▼乃木神社の隣にある地下鉄乃木坂駅

乃木神社の隣にある地下鉄乃木坂駅

1907年、乃木は學習院院長に就任し、敷地内に住んで学生と寝食を共にしました。以下は、乃木が住んだ學習院内の建物です。この写真は2007年3月に筆者が撮影したものです。

乃木が住んだ學習院内の建物

乃木と並ぶ重要登場人物・東鄕平八郎は聯合艦隊司令長官として日露戦争に参戦し、日本海海戦で大勝利を収めた人物です。NHK大河ドラマ『坂の上の雲』では渡哲也が演じました。
東京都渋谷区には東鄕平八郎を祀った東鄕神社があります。以下の写真は、2010年1月に筆者が撮影した東鄕神社の境内です。

▼東鄕神社の鳥居

東鄕神社の鳥居

▼東鄕神社の本殿

東鄕神社の本殿

▼第一驅逐隊の関係者が奉納した石灯籠

第一驅逐隊の関係者が奉納した石灯籠

▼海軍經理学校の記念碑

海軍經理学校の記念碑

▼海軍特別年少兵(海軍特年兵)の石碑

海軍特別年少兵(海軍特年兵)の石碑

▼潜水艦乗組員に捧ぐ石碑。手前にあるのは魚雷の模型で、実物よりは小さい

潜水艦乗組員に捧ぐ石碑。手前にあるのは魚雷の模型

▼東鄕神社のお守り

東鄕神社のお守り

そして東鄕が座乗した戦艦三笠は日露戦争時の聯合艦隊旗艦で、現在は神奈川県横須賀市の三笠公園に記念艦として保存されています。但し、NHK大河ドラマ『坂の上の雲』で撮影に使われた三笠は、石川県加賀市に新たに建造された実物大セットだそうで…。

筆者は2003年に写真を撮りに行ったのですが、当時はデジタルキャメラを使っていなかったので、当時の写真を何とかパソコンに取り込み、ご紹介します。

▼三笠全体

三笠全体

▼三笠斜め前から

三笠斜め前から

▼三笠主砲

三笠主砲

▼行進曲「軍艦」の石碑

行進曲「軍艦」の石碑

▼東鄕平八郎の銅像。左は「皇国の興廃此の一戦に在り」というZ旗の文言が彫られた石碑。因みに円谷プロの特撮テレビドラマ『怪奇大作戦』第15話「24年目の復讐」に東鄕の銅像がチラッと映っています。

東鄕平八郎の銅像

ゆかりの土地を訪れると、ドラマもより一層堪能できるのではないでしょうか。

(文・写真:コートク)