「特撮映像館」66回、今回は林 海象監督の『ZIPANG/ジパング』です。林作品としてもそうですが、特撮作品という観点からも異色な本作。その独特な世界を堪能してください。

お尋ね者にして江戸時代のトレジャーハンターとも言うべき、地獄極楽丸とその一行。その賞金首を取ろうと後を追う美人賞金稼ぎの鉄砲お百合と菊丸。


また地獄極楽丸一行が見つけた黄金の刀を奪おうと、徳川家康の配下、服部半蔵とその忍者軍団までからんできた末に、舞台は時空を越えて古代の日本へとジャンプする。

前半というか、作品冒頭には地獄極楽丸のキャラクターを紹介するような形で派手な殺陣が用意されていて、ワンカットによる地獄極楽丸の50人斬りという、本来クライマックスでもいいようなシーンもある。しかし本作の本筋はこのあとから展開していく。

本作のテーマはひと言でいって「永遠の愛」。
神に仕える巫女であるジパングの女王と、永遠の命を与えられた男との愛の物語に、地獄極楽丸、鉄砲お百合らが巻き込まれていく形となっている。

本作以前に林海象は『帝都物語』の脚本を担当しているが、その経験が本作にも影響を与えているような気がしてならない。林海象流の特撮映画といってもいいだろう。
特技監督には浅田栄一を迎え、土偶型の戦闘服だったり爆発シーンだったりと特撮的な画面も十分に見せてくれているが、なるべくセットを使わない屋外シーンで古代の日本を表現していたり、林の特撮映像に対する感覚がうかがえる。

古代日本語を使用してみたり林作品ならではのキャスティングだったりと、エンターテインメント作品でありながらもマニアな匂いのするところも魅力ではなかっただろうか。

高島が演じた地獄極楽丸は非常に生き生きとしていて、シリーズ化されなかったのが残念なくらい。ちなみに本作の続編にあたるものがゲームソフトで発表されていた。

監督/林 海象
キャスト/高島政宏、安田成美、修健、鰐淵晴子、平幹二朗、ユキオ・ヤマト、ほか。
1990年/118分/日本

(文:猫目ユウ)