「うちの本棚」第二十九回は萩尾望都の『11人いる!』をご紹介いたします。少女マンガに於ける本格的なSF作品といえるでしょう

『11人いる!』は前後編、2回に分けて発表されたが、当時偶然読めたのは前編のみで、前後編を通して読んだのは、小学館漫画賞を受賞後に刊行された、文庫版でであった。


その当時、まだ少年漫画しか読んでいなかったのだが、たまたま入手した雑誌にこの作品が掲載されていたことから、少女漫画にも俄然興味がわいたのは事実である。

この作品は、少女漫画に本格的なSFを持ち込んだともいえる内容で、たまたまそれを読んだことで、自分の少女漫画観も変わった。

宇宙大学の入学試験として、漂流中の宇宙船の中で過ごすことになった10人の受験生。しかし宇宙船に入ってみると、そこには11人いた。

11人の魅力的なキャラクター、サスペンスに満ちたストーリー展開。紛れもなく傑作である。とくにさまざまな宇宙から集まった種族達の特徴(外見はもちろん能力なども)は興味深いものがあった。

のちに続編も発表された(『続・11人いる! 東の地平、西の永遠』『スペースストリート』)ほか、NHKの少年ドラマシリーズとして映像化され、さらにのちにはアニメ化もされている。

萩尾望都といえば『ポーの一族』や『トーマの心臓』といった作品が知られているが、この『11人いる!』が、自分にとって萩尾望都の代表作である。

初出:別冊少女コミック
書誌:小学館漫画文庫 / 萩尾望都作品集(小学館) / 小学館文庫

■ライター紹介
【猫目ユウ】

ミニコミ誌「TOWER」に関わりながらライターデビュー。主にアダルト系雑誌を中心にコラムやレビューを執筆。「GON!」「シーメール白書」「レディースコミック 微熱」では連載コーナーも担当。著書に『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』など。