かねてから軍事資料のやりとりをしている昔の友人へ正月に「あけましておめでとう」電話をした際のこと。東京では足立区立図書館と中野区立図書館に軍事資料が豊富という話を耳にしました。

ミリタリーマニアとしては軍装する際の装備品資料、銃のカスタムをする際の銃器の外観設計資料に不足することは多々あるもの。
今回の話、大いに興味津々!これはぜひ行ってみなければ!


ということで、鉄砲蔵の「ミリタリー魂」第十四回目のレポートはその内の一つ、足立区立図書館に突撃です!

到着してみたらどうやらこの図書館、表側がマンションになっているらしく、その右脇を入って行くとエスカレーターと駐輪場が見えてきました。このエスカレーターがその入り口です。

実際に入って書庫を見ると、「おお~~~~!まるでミリオタ図書館!」というような光景。正に友人の紹介通り、ミリタリー資料の宝庫でした。
早速何冊か開いてのめり込んでみる。僕の場合はサバイバルゲーム専門なので戦場の現場での前線兵士、一般市民の生活に興味を持ちましたが、それに関しての資料も、また他の模型作りに使えそうな資料も多く見受けられました。

今回はその中で特に興味深いものをご紹介。

○Uボート総覧
デヴィッド・ミラー/著 ・ 出版 大日本絵画:
ナチスドイツ海軍のUボートの歴史と外観を記したUボートのカタログ。

○日本の爆撃機
野原茂/著 ・ 出版 光人社:
旧日本軍の爆撃機の外観を記した本

 

あと、戦争の歴史でレアな本として、

○鉄砲伝来の日本史(火縄銃からライフルまで
宇田川武久/編 ・ 出版 吉川弘文館:
伝来して間もない頃の火縄銃から幕末のライフル銃、またそれによって負った傷がどんなのもか、その治療のためにどんなことが行われたかを記した本。

○グアンタナモ収容所で何が起きているか 暴かれるアメリカの反テロ戦争
アムネスティインターナショナル/編 ・ 出版 合同出版:
イラク戦争の際のアメリカ軍、グアンタナモ収容所の内情を記した本

○スターリンの捕虜たち シベリア抑留 ソ連機密資料が語る全容
ヴィクトル・カルポフ/著 ・ 長勢了治/訳 ・ 出版 北海道新聞社:
第二次世界大戦のスターリン政権下の捕虜収容所での内部の記録

○<玉砕>の軍隊 <生還>の軍隊 日米兵士が見た太平洋戦争
河野仁/著 ・ 出版 講談社:
同じく、第二次世界大戦当時の太平洋戦線で、アメリカ軍からみた日本軍の玉砕精神、捕虜となった日本兵の様子を記した本もありました。この本では、日本兵は日記を詳細につける性癖があり、米軍側にとってはそれを没収して情報部に送ることで貴重な戦略情報になったそうです。

○地雷
カンボジアで使用されている地雷の特徴、生産国、地雷処理の様子を描いた写真集

 

「おぉぉ!」と目を引かれて視聴したものに「Little birdsイラク戦火の家族たち」があります。イラク戦争で他国のメディアが次々に立ち去る中、最後まで残って戦火の中の庶民の苦痛や悲しみ、絶望を記録したドキュメンタリーを観てきました。このDVD、イラク戦争で庶民が巻き添えになって家族を失い、武器を取るに至る生々しい映像がありました。

この図書館の話をカスタムショップ「戦民思想」の主人に話したところ、「近所に東京マルイがあるからだろう。」と……。
結構、東京マルイの人も来ているかも知れませんね。この図書館、現在所蔵していない書籍も希望書籍として申し込んで仕入れてもらうことも出来るそうなので、一度訪れてみるのもいいでしょう。

▼足立区立図書館
https://www.lib.adachi.tokyo.jp/

(文・写真:鉄砲蔵)