オーストラリア軍CR1M皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
第四回目は、オーストラリア軍のレーション、CR1Mをご紹介します。色々な食べ物がぎっしり詰まった豪華なレーションです。


●オーストラリア軍CR1M
CR1Mとは、Combat Ration One Man(一人用戦闘糧食)の略称です。写真のようなブリキ缶に5個ずつ詰められ、2缶セットで段ボール箱に入れられて出荷されます。

ブリキ缶の蓋と底には、「可能な限り必ずリサイクルせよ」と書かれています。そのためか手元にあるブリキ缶は、かなりへこみがあり傷だらけです。

CR1Mは、1パックに1日分の食料が詰め込まれています。アメリカ軍のMREなどは1パックで1食分ですが、世界的にみると1パックで1日分のレーション(24時間レーションと呼ばれます)を採用している場合の方が若干多いかもしれません。

写真では、パックに「A」や「C」の文字がありますが、これはメニュー番号で「A」から「E」まで5種類があります。

●CR1MメニューC
今回は、メニューCを開けてみます。肉体労働のための3食+間食ですので、色々な物がたっぷり入っています。
そして、珍しいことにレトルトと缶詰が併用されています。

内容物の一覧です。

・ソーセージ&ベジタブル
・ビーフサテー
・インスタントヌードル(チキン味)
・野菜低塩スープ
・プロセスチェダーチーズ缶詰
・クリームクラッカービスケット
・アンザックビスケット
・スコッチフィンガービスケット
・ミューズリーバー(トロピカルフルーツ)
・ミューズリーバー(アプリコット&ココナッツ)
・ミューズリーバー(森のフルーツ)
・ミックスベリーフルーツ粒
・西洋ナシ缶詰
・板チョコレート
・M&M’sチョコレート
・フルーツタブレット 2パック
・チューインガム
・コンデンスミルク
・バニラスプレッド
・ラズベリーフルーツスプレッド
・ベジマイト
・スィートチリソース
・カレー粉
・ブラックペッパー
・塩
・エナジーミネラルドリンク(レモンライム)
・エナジーミネラルドリンク(ミックスベリー)
・チョコレートドリンク
・インスタントコーヒー 2パック
・紅茶ティーバッグ 2パック
・砂糖 8パック
・スプーン
・洗剤付きスポンジ
・紙ナプキン
・缶切り
・マッチ
・ジッパー付きビニール袋
・説明書 2枚

一部馴染みのない物もあると思いますが、個々の説明は、以下で試食しながらやってみたいと思います。

●オーストラリアの食事
ベジマイトという食べ物のことをご存知の方は、非常に少ないのではないでしょうか?ベジマイトは、オーストラリアの非常に個性的な食べ物です。

説明書では野菜抽出物と書かれており、「ビスケットや肉料理に付けたりヌードルに入れると良いかも」だそうです。野菜屑などを発酵させたペースト状の食品で、味噌に近いかもしれません。塩味が強めで、苦味のような変な味がします。味噌のような旨味は、感じられません。
いわゆる「珍味」なのかもしれませんが、多分10人中9人くらいは不味いと言いそうな気がします。

オーストラリア人には、このベジマイトが大好きな人が結構多いそうですが、海外では相当嫌われているようです。が、何とイギリス軍が数年前からこのベジマイトを採用してしまいました。

アンザック(ANZAC)とは、第1次世界大戦でのオーストラリアとニュージーランドの同盟軍のことです。この時、出征する兵士たちのために作られたのがアンザックビスケットです。ちょっとバサバサした粗挽き感のあるクッキーです。
スコッチフィンガービスケットもオーストラリアで人気のあるビスケットだそうです。

食べた感じでは、日本でも売られているようなオーソドックスなビスケットです。ミューズリーは、穀物やドライフルーツ、ナッツなどを混ぜたシリアルの一種です。欧米では、広く食べられているようです。
そしてミューズリーバーは、これを糖分で固めたもので、日本の「おこし」に似ています。結構歯ごたえがあります。

●実食
何といっても量が多いので、何度かに分けて食べました。

ソーセージ&ベジタブルは、ぼやけた味で臭みも少しあり、美味しいとは言えません。しかし、このCR1Mの素晴らしいところは、調味料が豊富に入っていることです。
スィートチリソースをかけてみると、味がはっきりして食べやすくなりました。カレー粉をかけると、味も匂いも良くなり、美味しく食べることができました。

ビーフサテーは、聞きなれない料理だと思います。サテーとは、肉の串焼きで、東南アジアの料理だそうです。
開封したビーフサテーの見た目は、肉の味噌漬けみたいな感じで、とても串焼き料理とは思えません。まあ、レトルトに串を入れるわけにはいかないのでしょうけど。
食べてみると、ゴロゴロした肉がちょっと甘みのあるソースに和えられていて、なかなか美味しいです。カレー粉をかけると、さらに美味しく食べることができました。カレー粉って素晴らしい!

インスタントヌードルは、日本のインスタントラーメンそのままです。粉末スープとブロック状の乾麺にお湯を注いでしばらく待つと出来上がりです。
しかし、味はいまいちです。日本で市販しても、絶対に売れないでしょう。
ブラックペッパーをたっぷり入れると、美味しくなりました。豊富な調味料のほかに、飲み物や菓子類もたくさん入っているのがCR1Mの特徴でしょう。

ちなみに、エナジーミネラルドリンクは、1リットルの水で溶きます。1日に飲んだり食べたりする量としては、多すぎるような気がしますが、肉体労働だから水分補給とカロリー補給は重要なのでしょう。

あと、チューブに入ったスプレッド類が多くて、どうやって食べるのかよくわかりません。クラッカーの枚数は限られていますし、コンデンスミルクの大きなチューブをくわえてチューチュー吸うのでしょうか・・・

【注意してください!!】
オーストラリア軍CR1Mを初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。

■ライター紹介
【Dacho】

中学時代に「エリア88」と出会い、ミリタリーに目覚める。数年前、以前から気になっていたMRE(米軍のレーション)をミリタリーショップで発見し、レーションオタクの道へ。急速に自宅の空きスペースを浸食していくレーションの山と日々闘い続けている。