新しいクラスになって、最初に気になることのひとつが自分の出席番号。学校生活の様々な場面で活用されている番号ですが、多くの場合は氏名の五十音順に割り振られます。

 ほとんどの生徒にとっては何番だろうが重要なことではありません。しかし、あ行の名字を持つ人の場合、1番になるかどうかというのは気になる要素みたい。

 土を焼いて作られる「トリックスター」という黒い3本足の彫刻シリーズを発表し、令和4年度の常陸國總社宮の芸術工(わざたくみ)に就任した彫刻家の浅野暢晴さんは、息子さんが「1年1組1番」と学年の先頭になりました。このことを親戚の集まりで報告したところ、「浅野姓が出席番号1番を取れそうで取れない」という話題で盛りあがったそうです。

 浅野さんは「あ」から始まるものの、2文字目が「さ」なので、ほかの「あ行」に先を越されやすく、出席番号1番になりにくいものなんだとか。親戚の皆さんも学校時代、少しの差で1番にならなかった経験がおありで、思い出を語り合っているうち、同じクラスに「青木さん」がいて壁になったというケースが目立ったそうです。

 1文字目も2文字目も「あ行」の青木さんは、なるほど浅野さんの強力なライバルです。浅野暢晴さん自身も「何人かの青木さんに出席番号1番の座を何度か阻まれました」と語ってくれました。

 このことを浅野さんがTwitterに投稿したところ、様々な「あ行の出席番号1番」情報が寄せられました。「皆さんのコメントを見ていると『あい』さんなどの更なる上手の名字があって、とても面白かったです」と収穫を語っています。

 筆者の記憶をたどってみると、クラスの出席番号1番には「会田(あいだ)さん」や「相川(あいかわ)さん」「青木さん」がいた記憶があり、確かに「浅野さん」は2番か3番だった印象。届きそうで届かない、悔しさを感じる立場なんですね。

 浅野さんは「我が子たちも現役の「浅野姓」として「1番」をゲットすることに喜びを感じているのを聞いて、自分たちの学校時代を思い出したのが、新年久々に実家に帰ることができた喜びのひとつになりました」と話してくれました。

 筆者はあ行から始まる氏名ではないため、それほど出席番号が何番かということは気にならなかったのですが、誰が1番になるかというのは、なかなか興味深いものを感じました。逆に毎回「1番」になってうんざり、という悩みもありそうで、奥が深そうです。

<記事化協力>
浅野暢晴さん(@asanonobuharu)

(咲村珠樹)