松本零士さんのライフワークとも言える「銀河鉄道999」。その劇場版アニメ公開40周年を記念した舞台作品の完結編となる「銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠」が、2019年4月20日から東京・明治座と大阪・梅田芸術劇場で上演されます。4月20日~29日の東京公演は平成、そして5月10日~12日の大阪公演は令和という、時代をまたぐ公演の稽古が都内で公開されました。

 好評を博した2018年の公演に引き続き、完結編となる「銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠」。名作と名高い劇場版アニメ「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」をモチーフにしたストーリーとなります。キャストは引き続き、星野鉄郎を中川晃教さんが演じます。このほかにもキャプテン・ハーロックを平方元基さん、クイーン・エメラルダスを凰稀かなめさん、美山加恋さんがガラスのボディを持つ999号のウェイトレス、クレアを演じるほか、メーテルは木下晴香さんと伊波杏樹さんのダブルキャストとなります。また、浅野温子さんが急病により降板した女王プロメシュームは、松下由樹さんが演じることになりました。

 会見で中川さんは、松本零士さんから「これは鉄郎の帽子だよ」という言葉とともに贈られたという帽子を手に、「36歳の自分が16歳の鉄郎を演じるのは大変な面もありますが、999に乗って宇宙に旅ができるよう、初日に向けて頑張っていきたい」と意気込みを語っていました。

 浅野温子さんに代わって女王プロメシュームを演じる松下さんは、これほどはっきりした「敵」という感じの役を演じるのは初めてとしながらも、子供の頃に見ていたアニメの舞台に立てる驚きと喜びとともに「浅野さんは浅野さんで別のプロメシューム像を演じられたんだろうな、と思うんですが、浅野さんがこの舞台に込めていた思いも一緒にできれば。そして、ただの悪役としてだけではなく、母として、そしてこの星を思ってしたことだ、というところも出せるように」と語っていました。

 この会見の席で、初めて松下さん演じるプロメシュームの写真が入った公演ポスターがお披露目されました。キャストの皆さんは口々に、松下さんのプロメシュームが持つ存在感に圧倒された様子。


 実際に稽古で松下さん演じるプロメシュームに対峙した凰稀さんは「とにかく、圧がすごい」と語りながらも「お母さんとしての優しさが含まれているので、剣を振り下ろすことができない」と、その複雑な感情が両者の間に流れていることを語ってくれました。また、冒頭のシーンでは過去の出来事を描写しているため「私も中川さんと同じ16歳(のエメラルダス)を演じている」と、中川さんとの共通点も。


 ハーロック役の平方さんは、このエメラルダスとプロメシュームが対峙するシーンで、同じ舞台にいながらも「つい見入っちゃって、ハーロックとして出なきゃいけないのを忘れてしまうほど」だと話してくれました。


 そしてハーロックとエメラルダスの関係についても、相互の信頼感などを見てほしいと語っていましたが、2018年の公演から演じている平方さんと凰稀さんの間には、役柄同様の信頼関係が築けているような雰囲気。また、会見でも笑顔が絶えず、結束の固さも感じられました。


 原作者の松本零士さんからは「浅野温子さんと松下さんは本当にメーテル、エメラルダスの姉妹のように全く違和感を感じません。お二人とも頑張ってほしいと思います」というメッセージとともに、プロメシュームを描いた色紙がプレゼントされました。




 公開された稽古の様子は、冒頭のプロローグ部分と「999で行こう」という歌とともに999号が走り出すシーン。プロローグでは、キャプテン・ハーロックが惑星ラーメタルで起こった過去の出来事を語ります。松下さんの存在感と声は、まるでアニメ版でプロメシュームを演じた来宮良子さんを思わせるもの。



 999号が走りだす「999で行こう」のシーンでは、旅立ちの高揚感があふれた軽やかな動きを鉄郎が見せます。そして現代っ子のクレアが無邪気にはしゃぐ様子も愛らしく、車掌を演じるお宮の松さんの「出発します!」の敬礼姿も決まっています。





 舞台「銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠」は、平成31(2019)年4月20日~29日が東京公演(明治座)、そして令和元年5月10日~12日が大阪公演(梅田国際劇場)となっています。また、東京公演ではアフタートークショーやバックステージツアー、大阪公演ではアフタートークショーも予定されています。これらイベントやチケット、開演時間など詳しい情報については、公演公式サイトをご参照ください。

(C) 松本零士・東映アニメーション
(C) 舞台『銀河鉄道999』実行委員会2019

取材協力:Age Global Networks

(取材:咲村珠樹)