会社の休憩時間や街頭に来ている献血バス、皆さんも見かけたことがあると思います。献血自体、人の役に立つことだけど、何だか血を抜くのは怖い……そんな理由で献血に挑戦できないという人もいるかもしれません。そんな、何となく怖くて献血できない人の背中をそっと押してくれるような、献血をテーマにした鉄拳さんのパラパラ漫画のYouTube動画が見た人の心をじんわりとさせています。

 このパラパラ漫画は、鉄拳さんの実体験に基づくストーリー。一人の若者が、街頭の献血バスの前にいる友人カップルとバッタリ出会うところから話が始まります。献血と聞いて体の血を抜くからフラフラになって倒れるんじゃないか?と怖がる若者に、友人たちは献血について説明します。献血バスで献血できる量は、200mlと400ml。飲み物ももらえてゆっくり休憩もできる、と。ちなみに、200ml献血は16歳からで体重は男性45Kg以上、女性は40Kg以上。400ml献血は男性は17歳、女性は18歳からで、体重はどちらも50Kg以上。上の血圧が90mmHg以上で献血の基準を満たします。

 そんな説明を聞いて、献血については分かったもののやっぱり尻込みをする若者。その日はそのまま自宅に戻りますが……帰ってみると、父親がまさかの吐血。救急車で病院に運ばれた父親の姿に憔悴する若者。そんな若者にそっと肩に手を置いたのは、友人たちでした。友人たちの献血、そして多くの人の献血が一つの大きな力になって、「血液製剤」という形に。父親は輸血を受ける事で、一命を取り留める事ができたのでした。




 後日、友人たちを見かけた若者は、父親が助かったお礼を述べるも、友人たちは不思議顔。その後、献血ルームへと足を運び、献血へ。ひとりの血液は、全国の見知らぬ誰かの力へと姿を変えて、広い年代の、様々な病気やけがの人のもとへ……。


 この動画に鉄拳さんは、「昔、父ちゃんが倒れた時に輸血で助かりました。それから僕でも人の命が救えるとわかり献血に行きました。人間を助けられるのは人間しかいない。だからこそ年齢、性別を問わず、誰にでも献血の大切さを知ってもらいたいです。是非~」とツイート。動画とツイートには、「私は小さい時、手術で輸血の血液が足りず沢山の輸血で生命が助かりました」「私も輸血、たくさんしました。今生きていられるのも皆様のお陰です」など、実際に献血によって助けられた人からのコメントや、「これからも ずっと献血続けて行きます」といったコメントも。

 持病や服薬の影響で献血したくてもできない、という人も多いかもしれません。かつて、健康な頃は2週間に1回できる成分献血を2週間間隔で行っていた筆者ですが、今は献血ルームの呼び込みに、「私献血します!」と名乗りをあげたくても、服薬している薬が献血に適さなくて何度も悔しい思いをしました。しかし、服薬している薬の中には、献血に影響がないものもあります。もし、何かの薬を飲んだ後で、献血の機会があった時は、献血ルームや献血バスの職員に聞いてみて下さい。薬の種類によっては献血が可能な場合があります。

 「健康だけが取り柄」という人でも、不意の事故や病気で誰かの血液を分けてもらうことになるかもしれません。人間の本物の血液に代わる薬はまだ開発されていません。また、成分献血で得られる血漿や血小板などは消費期限が短く、血液のがんなどに対する治療に必要ですが、常に不足しています。献血で使う太い針は怖いかもしれませんが、それを乗り越えた先には、多くの患者さんが救われるかもしれないという希望が待っています。元気な人は、ぜひその元気な血液を困っている人に分けて欲しいと願っています。

<引用・参考>
鉄拳さんツイッター(@Tekken_omachi)
献血する|日本赤十字社
※画像は日本赤十字社「LOVE in Action YouTube公式チャンネル」のスクリーンショット。

(梓川みいな/正看護師)