コンビニで買い物して、お釣りの小銭を特によく見ずにお財布に入れててしまう事、あるかと思います。そんなお釣りの中に、今ではほぼ流通していない硬貨が混ざっていたという話がツイッターで話題になっています。

 「コンビニのお釣りとして返ってきたんやけれども、そうかお前は銀行に入金もされず、終戦の年から約74年、現在まで手渡しのレジで流通し続け、生き延びて長い旅路を経てきたのか。何やら軽い硬貨なのに、重く感じる。」と、その硬貨の写真とともにツイッターに投稿しているのは、デザイナーでありフォトグラファーのてんさん。てんさんのお母さまがお釣りとして受け取った硬貨の中から偶然みつかったそうです。

 その硬貨、よく見ると片面には右から左読みの方向で「日本政府 10 昭和二十年」と桜の花のしるしと共に記されており、もう片面は、菊の御紋の下に稲穂、その下に右から左へ「十銭」と刻まれています。どうやら、昭和20年から21年にかけて発行されたアルミ硬貨の様です。

 おそらくは誰かが1円玉(この10銭硬貨と同じくらいの大きさで材質も同じアルミ)に混じって誤って古銭をお店に渡してしまい、そのまま流れ流れて、てんさんのお母さまのお釣りに行きついたのでしょう。このツイートが発端となり、リプライ欄には様々な古銭が寄せられています。その様子はさながら「古銭大披露会」な様相に。江戸時代のものから明治時代、昭和初期と実に様々な硬貨が集結しています。中には記念硬貨まで紛れ込んでいたというリプライも。

 ちなみに、現在は「1円未満の紙幣(お札)や貨幣(硬貨)については、1953年(昭和28年)に制定された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」(いわゆる小額通貨整理法)により、発行が停止されました。また、それまでに発行されていた1円未満の紙幣や貨幣も、同年12月31日限りで通用力を失いました。」(日本銀行HP 「教えて!にちぎん」より引用)とあるように、現在では本来硬貨としては使う事ができません。だからもし手元にあったとしても意図して使用することがないよう、持っている人は注意してくださいね。

 とはいえ、古銭は、流通した量や希少さ、状態によりコレクション的価値が生まれることもあります。もし、古銭を偶然見つけた場合、ネットや古銭商などで鑑定してみるのもいいかもしれませんし、お守り代わりに持っておくのも良さそうです。

<引用・参考>
日本銀行HP 「教えて!にちぎん」Q.1円未満のお金が使えなくなったのはいつからですか?

<記事化協力>
てんさん(@ten19901026)

※訂正:初出時、「てんさんのおつりに行きついた」という記載をしておりましたが正しくは「てんさんのお母さまのおつりに行きついた」でした。このため、一部追記をするとともに初出時の誤りをお詫びいたします。

(梓川みいな)