もし、いつも食べ慣れているものが実は食べ物じゃなかったら……?思わず何度も見てしまう、「チョコパイ」の動画がネット上で話題になっています。

 お皿の上に乗せられた、半分に割られたチョコパイ。丁寧に半分に割って食べるのかな、と思わせる様な断面です。しかし……。

 「このチョコパイ、こねると粘土になるぞ! 」え?粘土??ちょっと待って食べ物こねちゃダメでしょ……あれ、容赦なく指で押しつぶしたところからチョコパイとは言えない緑色が……。しかも、あのふんわりした食感を思わせる様なつぶれ方ではない。これ、粘土だ……!!こねていくうちに青やら紫やら、およそチョコパイとは無縁の色が。完全にチョコパイの割ったやつにしか見えないのに~!!



 このチョコパイの粘土模型を作ったのは、映像作家が本業のしばたたかひろさん。小麦粘土で何かを作ってツイッターに投稿しています。この日投稿されたチョコパイは、コーティングのチョコのツヤや割れた感じ、真ん中のスポンジ生地やクリームの部分が完全に再現されていて見た目は作り物とは思えない仕上がり。

 しばたさんにお話を聞いてみたところ、こねた時の見た目の衝撃が増し、また瞬時にそれが粘土であるとすぐに分かる様、土台に使った粘土は食品にないカラフルなものを使っているのだとか。複数の色で土台を作り、そこにチョコレートやスポンジに似せた粘土をはりつけていくという方法。確かにチョコパイだと思っていたものをこね始めた時に見えた色の衝撃具合はなかなかのものでした……。

 チョコのツヤがあまりにもチョコなので、もしかして外側のチョコは本物なのでは?と思ったくらいなのですが、このツヤはニスで仕上げているのだそう。作品によってはニスの種類を変えたり、滑らかな表面の金属で粘土をなでて仕上げるなど、ツヤの出し方を使い分けているのだそうです。

 そしてこのチョコパイ粘土、制作時間は約1時間、撮影や編集を合わせたら1時間半程で全工程を終えているそうです。「さらに時間をかければよりリアルに出来ると思うのですが、あまり時間をかけて制作すると壊すのが惜しくなってしまうので…。」というしばたさん。確かに、最初からこねる前提で作っていますもんね。

 映像作家さんらしいともいえる様な、面白い粘土のイリュージョン。しばたさんの作品は前にもご紹介した「換気扇のミニチュアブローチ」の他にも、身近なものでおやっ?っとなるような作品が色々ありますよ。

<記事化協力>
しばたたかひろさん(@iine_piroshiki)

(梓川みいな)