菅田将暉が漫画原作者、小松菜奈が漫画作画家を演じ上げたWEB MOVIE「カケル」が9月6日に公開されました。

 株式会社アダストリアが展開するライフスタイル提案型ブランド「niko and … (ニコアンド)」が公開したものですが、仕上がりはまさに“短編映画”そのもの。PR的なものはほとんど排除され、一本の映像作品として“観せる”ことに重点が置かれています。

 菅田さん演じる漫画原作者・高木は、漫画づくりに全力で、こだわり抜く頑固かつ少し変わったキャラクター。対して小松菜奈さん演じる漫画作画家・春野は、本当はできるのに自分でその才能に見切りをつけてしまい、ほどほどで仕事をしてしまうタイプ。そして物語の背後で流れるやさしい音楽は、ミスチル桜井さんとGAKU-MCさんのユニット「ウカスカジー」の「Anniversary」。

 物語の冒頭、二人は打ち合わせをしています。春野が持参したポートフォリオを見ながら、依頼する新作漫画の絵のテイストを選んでいるのですが、高木の目にとまったのは春野おすすめの柔らかい絵柄ではなく、初期のころに挑戦していたという、筆描きされた力強いタッチの絵。高木は初期の絵で描いて欲しいと思うも、春野は「それはもうやってない」「面倒が多くて」と断り、「とりあえず一度描いた物をおくります」と一方的に自分の思い通りのタッチで押し進めようとたたみかけます。


 場面はかわり、突然空に舞う紙切れの映像が映し出されます。仕上がった作品を高木が破ってしまったのでした。その様子が送られてきて、怒りを抑えきれず高木に電話する春野。高木はポツリと「なんか……つまんなかったんですよね」、春野「はぁ!?」。

 再度の打ち合わせで「もう描けません、あんなことされたら」と言う春野に対し、「お前もっと描けんだろ」と少々挑発的に言い放つ高木。互いに感じていた作品への不満をぶつけあう二人ですが、一つの作品づくりを通して互いに刺激しあい、言い合うことを通して理解が深まり、ようやく絵という命が物語に吹き込まれていきます。そして映像の最後でようやくniko and …のメッセージ「であう にあう」の文字が。この物語には、人と人が「であう」、そしてそれが「にあう」ことで生まれるナニカがストーリーを通してメッセージとして込められていました。

 本映像は菅田さんバージョンや小松さんバージョンなど複数種類あるTVCMとしても放映されます。どちらも引き込むものがありますが、やはり一番のみどころは本編。特に静かだった前半から、二人が創作に対して貪欲になり物語が一気に動き出す後半への鮮やかなコントラストが印象的で、一気に引き込まれてしまいます。短編映画のような約6分の物語はYouTubeやniko and …のWEBサイトで視聴可能です。

情報提供:株式会社アダストリア

(栗田まり子)