昭和30年代頃には、冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビが「三種の神器」と言われていましたが、もう来年の2019年には平成から新たな元号にかわり、一時代が終わろうとしています。そんな目まぐるしい時代の変化の中、昔のモノにフォーカスを当て、最新のテクノロジーを融合させた作品がTwitterで話題になっています。

 昭和世代には懐かしいブラウン管式テレビを模した超小型動画プレーヤー「まめTV」。当時は、リモコンなど便利なものはなく、チャンネル切替えや音量調整は、その都度テレビまで近づいて「チャンネルを回して替える」ダイヤル方式でした。そして外見はというと、四角い箱型テレビに、ニョキッと脚が4本生えているものなどが人気。こうした今の世代には、逆に新しく感じるフォルムを兼ね備えたのが超小型動画プレーヤー「まめTV」なのです。

https://twitter.com/guru_hoshi/status/1035364978352504832

 それにしても、このテレビはミニチュアなのに、映像もちゃんと見れて、構造はどうなっているのか気になる! ということで、制作には複数の方が関わっているそうですが、今回Twitterで話題になった「まめTV」の仕上げを担当したぐる☆さん(@guru_hoshi)に詳しい話をうかがいました。

 そもそも「まめTV」を製作したのは、模型と電子工作を融合させた家電ミニチュアを製作しているというPandaPrecisionさん(@Pandaprecision1)。本来「まめTV」は、未塗装の組立式キットとして販売しているものだそうですが、今回話題になった完成品はイベント主旨にそって「京王ドールハウス展 スペシャルエディション」という特注品として、日頃趣味で模型製作をしている友人のぐる☆さんに、組み立てや塗装などを依頼し完成させたものだそうです。この手の組み立てキットは最終的な塗装などによりかなり仕上がりが変わってくるのだとか。このため、今回のコラボ的な取り組みは仕上げを担当したぐる☆さんにとっても、とても刺激のある楽しい出来事だったそうです。

 そして気になる仕様はというと、0.95インチ有機ELディスプレイで、microSDの動画を音声付きで再生可能。バッテリー、スピーカーが内蔵され、側面ボタンもしくは、リモコンで操作できます。また、リモコン学習機能を持っているので、リモコンに関しては既製品、並びに手持ちの好きなリモコンを覚えさせて利用できるという優れもの。しかしながら、長時間の動画を見る前提で作られていないので、早送り・巻き戻しは非対応とのことでした。

 ちなみに「まめTV」の組み立てに関しては、なんと実働3日ぐらいかかったそうです。筆者のように初心者がキットを一から作るというのは厳しそうだな……と思い、ぐる☆さんに製作する上で一番難しかったことを伺ったところ「様々な苦労はありますが、頻繁にバージョンアップも行う等サポートもしています。キットという特性上、ある程度経験のある方以外は、難しいという事もあるかもしれません」とのこと。やはり塗装が最大の難関になっているようで、「完成品」の販売を望む声が多かったこともあり「フィニッシャー」として製作したということです。


 最後に、今後やってみたいことはありますか? とぐる☆さんに伺ったところ「今回のコラボ的なことが楽しかったので、他からも、塗装や組み立てなど、模型の依頼が来たらうれしいなと思っています。それよりも、ものづくりの楽しさが広がったらいいなぁというのが、本来の思いです」と語って下さいました。

 さて、欲しいと思う人が続出中の「まめTV」ですが……。わずかにあった在庫が近頃完売してしまい、現在はほぼ販売休止中になっているそうです。なかなか残念ですが、動画を見られるだけでなく、ブラウン管式テレビの特徴でもある砂嵐や消灯エフェクトも再現し、さらに簡易ゲームまでできるといいます。可愛い雑貨に留まらない実用性が最大の魅力かもしれませんね。

<取材協力>
ぐる☆さん(Twitter:@guru_hoshi)

<記事化協力>
PandaPrecisionさん(Twitter:@Pandaprecision1/HP:pandaprecision.net

(黒田芽以)