紅いトサカに黄色いくちばし、目はボタンで留められ、グレーと柄模様の二羽のにわとりが仲良くカゴの中に収まっています。ほんのりレトロで温かみを感じさせる「にわとりの鍋つかみ」がTwitterで17400件以上「いいね」されるほど話題を呼んでいます。

 こちらは、日頃から絵を描くことが好きというかすおさんが投稿したもの。「みてみて!私のおばあちゃん手作りのにわとり型鍋つかみすごく可愛くないですか? 家族からは何故か不評みたいで、いつも手作りの物を出品してる道の駅でも売れなかった〜ってしょんぼりしてたけど私はすごく可愛いと思う!!!」と、どうやら家族の中でかすおさんだけがおばあさんの作品を気に入っているようです。

 しかし、リプライでは「かわいいのになんで売れないのかが不思議です」「これは鍋つかみとしては勿体なくて使えない」「ハンドメイドアプリで販売したら売れそう!」という声や、中には白い目のボタンをわざわざツヤのある黒に画像加工して生き物感を出してみたという人まで出現し、その注目ぶりが伺えます。

 そんな家族には不評だったという「にわとり型鍋つかみ」を制作されたかすおさんの69歳のおばあさんについて、かすおさんにいろいろ聞いてみたところ、普段から鍋つかみ以外にも着物や帯の生地を使ったバッグや、ポーチ、服などを道の駅に出品しているそうです。

 なんとなくにわとりの頭に、親指が入る感じなのかな……と思いつつその構造を教えてもらうと、高温になりやすいオーブンのトレーを取り出す際に使う手袋タイプのものではなく、一瞬熱くなる程度の鍋やフタの移動に最適なさっと着脱できるタイプの鍋つかみとのこと。2つにパカッと割れるにわとりの胴体で鍋の取っ手をはさみ、上から手で持つ形になっています。

 かすおさんのおばあさん曰く「鍋つかみとして使わない時にもインテリアとして飾っていて可愛くなるように工夫しました。生地もレトロな物を使って、部屋に馴染む雰囲気にしました」とこだわりを語って下さいました。かすおさん以外の家族の反応はイマイチだったようですが、Twitterではかなりの反響があり、かすおさんのおばあさん自身も驚いているそうです。

 世間では、働き方改革でリモートワークや副業など新たな働き方が叫ばれている中、これから仕事の幅を広げたいと考えている方や、仕事以外のやりがいを見つけたいと思っている方は、かすおさんのおばあさんのように、はじめは評価されなくても、自分の好きなことや得意なことをコツコツ続けているうちに思わぬところから反響があるかもしれませんよ。

<記事化協力>
かすおさん(@sxsxsxs0106)

(黒田芽以)