ひとりの高齢女性が描く絵画がとても美しく印象的、とSNS上で話題になっています。

 この海外の風景画を描いているのは、宮崎満栄さん(82)。絵画歴22年というその筆致は、光のさし加減や陰影のつけ方、波の筆使い、色の鮮やかさの使い方などが印象派の雰囲気を思わせます。


 宮崎さんは数々の絵画を描いており、お孫さんでHEADLAMPのギタリストである生松圭吾さんにほんの冗談のつもりで「ツイッターに載せたらみんなに見てもらえるんやね。載せてみてくれへんかぁ」と話したところ、生松さんがその絵を「齢82歳のうちのおばあちゃんが描いた絵が素敵」とツイッターに投稿。その絵のすばらしさと82歳の女性が描いたという話題性もあり、7万2千回ものリツイートと14万2千以上のいいねが付き、一気に大拡散されました。

 生松さんに話を伺ったところ、祖母である満栄さんが絵画を始めたのはご主人を亡くされてしまったことがきっかけだったのだとか。夫婦でよく働き、特に趣味もなかった満栄さんがご主人を亡くして憔悴している時に、娘である生松さんの母が絵を描く事を勧めた事が現在に繋がっているのだそう。元々絵を描くのが上手かったことを思い出したのが絵画を勧めるきっかけとなったのだそうです。

 そして、満栄さんの絵に描かれている風景は全て満栄さんが今までに足を運んだ場所の風景が元となっているそうで、もう少し若い時には数十か国を旅してこられたのだとか。現在は年齢と右目が見えない事もあって海外は控えているそうですが、旅した時に描いたデッサンが現在の創作に繋がっているという事です。伴侶を亡くし、片目の失明という経験という辛い出来事も、絵を描く事が心の支えとなって今現在も元気に過ごされています。


 満栄さんは日頃より「趣味は人生に彩りを与えてくれる」と生松さんに話しているそうで、何か好きな事に打ち込めることの素晴らしさをその生きざまであらわしてくれている様に見えます。好きな事、楽しい事、やりたい事には年齢は関係ないのかもしれません。体が付いて行かない事や頭も追いつくのが大変かもしれなくても、それをカバーできる情熱があれば、何歳からでも好きな事は上達できるし諦める必要はないのかもしれません。何かをやりたい、始めたいと思った時が一番若い時。そして好きで続けていられるからこそ、輝きがそこに宿るのであると、思います。

<記事化協力>
生松圭悟さん(@keeeeigo5)

(梓川みいな)