暑い時期に無性に食べたくなるカレー。夏バテした時でも、あのスパイシーな香りを嗅ぐと自然と食欲がわいてくるのは何故でしょうか。しかし、こちらのカレーはそうとは限らないかも? 

 全国でもトップクラスの農業市、茨城県鉾田市に拠点をおく磯山商事さん販売の「18禁カレー」シリーズ(店頭価格参考1000円~)。Twitterでは、「18禁カレーの辛さ半端ない!!!20分くらいずっとハアハアしてる」「辛いよりイタい!本当にイタい!!」など衝撃的な言葉が並びます。

 興味本位で購入したことを後悔しつつ、筆者も食べてみました。パウチからカレーを皿に流し入れる時点で、もう目がシパシパする! 独特の香りとともにいざ実食してみると……、味がわからない。しばらくすると舌がピリピリし始めて、一瞬で口の中が辛さで支配されおいしさ云々の話ではなくなるほど。なぜこのような辛いカレーを作ろうと思ったのか、ナゾ過ぎるので磯山商事さんに話を聞いてみました。


――18禁カレーを企画した経緯を教えてください。

何か雑貨屋さんで売れる面白い商品を作ろうと考えていたところ、そうだ!食べられないくらい辛い激辛レトルトカレーを作ろうと思いつきました。

まずは、辛い唐辛子を探して試作試食を重ね激辛レトルトカレーを完成させました。18禁と言う名前は、こんなに辛いカレーは子供には絶対に食べられないと思い「18歳未満食べるの禁止」の意味で「18禁カレー」と名付けました。実際のところ年齢制限はなく、多くの学生さんたちが「痛い、辛い」と言いながら食べています。辛さ表記(甘口、辛口など)も18禁カレーを食べたほとんどの方の第一声が「痛い、辛い」と言われるので、「痛い、辛い」を合わせて「痛辛(イタカラ)」としました。

――商品名も斬新ですが、なぜそこまで激辛にこだわったのでしょうか? 私も取り寄せて「18禁カレー痛辛」を食べてみたら、舌にピリピリとくる辛さがなんともいえなかったのですが、どのような辛味成分を使用しているのですか?

辛さのこだわりですが、中途半端な辛さでは、面白くなく話題にならない。雑貨屋向けという商品価値がなくなってしまうため、美味しさを犠牲にして辛党でも食べられないくらいの辛さを追求する商品にしました。

本当は辛味を程よくすれば物凄く美味しいカレーです。中身は国産の鶏肉と野菜、化学調味料不使用のやさしいカレーです。

――実際に食べた方からの反響は?

1口食べた感想は「痛い!痛い!」「辛い!辛い!」「アーッ!!!」「ダメダメ」「わーこれダメなヤツ」「クー」「ハー」「水水水!」など、苦痛な悲鳴や意味不明の言葉が多いです。

食べられない食べ物を作るのはふざけている、信じられないなどと否定的意見はありますが、イベントの景品や罰ゲームとして使用いただき盛り上がったと高評価いただく場合が多いです。

――18禁カレーを開発するにあたってのこだわりを教えてください。

とにかく食べられないように作ったカレーなので辛さにはこだわっています。そのため完食されると非常に悔しく、バージョンアップしたくなります。

――18禁カレーはシリーズ化されおり、チョコレートやポテトチップスなどあるようですが、それぞれどのぐらいの売れ行きなのでしょうか?

18禁チョコレートに関しましては、10月から5月の限定販売です。委託先の年間生産量が2万枚まで、出来上がったらすぐに完売してしまい、ほぼ毎年期間中の半分以上が休売状態になってしまう幻の商品です。

ポテトチップスはどこでも手軽に食べられる(食べられないですけどwww)こともあって順調に売り上げを伸ばしており、海外への輸出も増えています。ポテトチップ→カレー→チョコレートの順に売れています。

――温めただけで目に刺激を感じたのですが、生産工場ではどのような恰好でみなさん製造されているのですか?

通常の食品工場ですので、頭巾、白衣、エプロン、手袋、マスク、長靴で作業を行っています。ゴーグルや防毒マスクも使用しておりますが、ゴーグルが蒸気で曇って視界が悪くなり、マスクは蒸気で息苦しくなるので大変です。煮込み作業が一番危険ですので、煮込み釜には顔を近付けないように、直接においを嗅がないように作業を行っています。

 最後に「18禁カレー以外にもご当地カレーなど斬新な商品が多いですが、今後どのような商品を作っていきたいですか?」と聞いたところ、「やはり、チャレンジ精神旺盛な方が食べたくなる挑戦的な商品を開発していきたいです」とのこと。18禁シリーズには、カレー以外にも「18禁カレーラーメン」「18禁一味唐辛子」「18禁カレーチップス」「18禁チョコレート」など攻略するには手ごわい激辛商品が勢ぞろい! 最近刺激が足りないな……と思う方は、挑戦してみては?

<取材協力>
株式会社磯山商事(Twitter:@isoyamashoji / HP:isoyama-shoji.co.jp

(黒田芽以)