2018年4月24日(現地時間)、イギリスのウィリアム王子夫妻に3人目の赤ちゃんが誕生しました。イギリス国内は祝賀ムードに包まれましたが、ロンドンでは新しい王子誕生に、イギリス陸軍による祝砲が鳴らされました。

 ハイドパークで14時から祝砲を執り行ったのは、王立騎馬砲兵連隊。1716年に創設された由緒ある部隊です。

 駐屯していたウェリントン・バラックス(近衛歩兵連隊隊舎)から、セント・ジェームズ・パーク脇のバードケージ・ウォークを通ってヴィクトリア記念堂前を経由し、コンスティテューション・ヒル、ウェリントン・アーチを通ってハイドパークへというルート。第一次世界大戦時に使用された13ポンド野砲を馬が牽引し、兵士らは古式ゆかしい「肋骨服」と呼ばれる礼装に身を包んでいます。


 6門の砲が射撃準備を整えると、隊長の号令のもと10秒間隔で合計41発の空砲射撃が行われ、王子誕生を祝いました。射撃終了後、再び野砲は馬に牽引され、ウェリントン・バラックスへと戻っています。

 また、テムズ河畔にはイギリス陸軍最古、世界でも最古級の部隊である1537年創設の名誉砲兵(Honourble Artillery Company)が、3門の105mm榴弾砲L118を伴って登場。

 兵舎のあるアーモリーハウスを出発し、警察の先導のもとロンドン塔前に到着した部隊は、テムズ川に向けて砲を揃えます。13時、号令とともに10秒間隔で通常の祝砲として21発、王宮のために20発、そしてロンドン市民からの女王陛下への敬意の証として21発、合計62発の空砲射撃を実施しました。



 現在、王立騎馬砲兵連隊は儀礼のために存在する部隊で、王室関連の行事に合わせてハイドパークで祝砲を撃ち鳴らしています。4月22日には、エリザベス女王の92歳の誕生日を祝して祝砲を行ったばかりであり、日をおかずの祝砲となりました。

 イギリス陸軍最古の舞台である名誉砲兵は、現在は予備役の部隊となっており、1924年以来、実戦参加していない場合にはロンドン塔前での祝砲を担当しています。

 次のロンドンにおける祝砲は、5月のハリー王子ご成婚の際になる予定です。

Image Credit:Crown Copyright 2018

(咲村珠樹)