野菜ジュースを使ったお料理。テレビの料理番組などで「旨味が増す」「時短になる」と紹介され、忙しい人を中心に人気を集めていますが、一方「きちんと料理を作る派」の人からは、「ちゃんと作った方がうまい」「単なる手抜き」と、肯定派、否定派でそれぞれの意見が分かれることもあります。特にこの組み合わせが嫁姑だと余計やっかいなことに。

 そんな不毛な争いに終止符をうつかもしれない調査結果が、4月9日に株式会社味香り戦略研究所より発表されました。

 人の味覚はそれぞれ違いがあるため、単に食べるだけでは本当にうまくなっているのかは分からない。そこで「味覚センサー」と言われる測定機器をつかって、公平に測定してみたそうです。ちなみに「味覚センサー」とは、人間の舌を模倣した「人工脂質膜」を用いて、対象サンプルと基準との間の電位差を味の強弱に変換して表現するセンサー。実験に使われた機種はTS-5000Z(株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー社製)です。

■生野菜は苦みが強く出る

 調査は、ミネストローネで比較されました。基本材料は、じゃがいも、にんじん、たまねぎ。これらをカットし、加熱して、さらにペーストにしたものがベース(基本レシピ)となります。なお、味付けは無し。このベースに「生野菜(基本レシピとは別の)」「野菜ジュース」「トマト缶」と水をそれぞれ加えて20分煮込み、常温に冷ましたサンプルを使用しています。

 また、野菜ジュースとしては「約30種」と「40種以上」の2つのサンプルを作り比較。

 味の調和を示す三角のレーダーチャート(正三角形に近づくほど味の調和がとれている)で、「酸味」「苦味」「苦味の後味」の3点を見てみると、生野菜は他3つの三角に比べ最も小さい三角を描き、特に苦味が抜きん出ているため、三角のバランスを崩しています。つまり生野菜を使った物は「苦味が強く、味のバランスを調えるのが難しい」と説明されています。

 また、「約30種の野菜ジュース」は苦味・苦味の後味は「トマト缶」「40種以上の野菜ジュース」とほぼ同じ数値なものの、酸味の部分だけは他3つよりも抜きん出て数値が高くなっています。

 この4つのサンプルの中で、綺麗な正三角形のものは見当たりませんが、比較的中でもバランスがとれているのは「トマト缶」と「40種以上の野菜ジュース」の2つとなっています。

■甘味は40種以上の野菜ジュースが圧勝

 次に調査では、甘味についても調べています。比較したのは、苦味・苦味の後味のレベルがほぼ同じだった、「トマト缶」「約30種の野菜ジュース」「40種以上の野菜ジュース」の3つ。

 トマト缶(0.05)<約30種の野菜ジュース(0.16)<40種以上の野菜ジュース(0.24)の順で、甘味が強いことが分かったそうです。トマト缶と40種以上の野菜ジュースを比べるとその差は実に5倍。

 普段ならば煮込んで甘味を引き出さなければならない、煮込み料理や、ソース作りの場合には、特に40種以上の野菜ジュースが向いているということのようです。

 これらの結果を踏まえ、この調査では、洋食の中でも「出汁」に相当する野菜を煮込む調理工程においては、手間も時間もかかり、苦味も出がちな野菜を煮出すという方法よりも、「野菜ジュース」、中でも40種以上の野菜ジュースを用いる方が、手間や味の調和的にも「合理的ではないか」と結んでいます。

 野菜ジュース料理の実力は、どうやらあなどれないようです。しかも今回の調査で初めて明らかにされた、野菜ジュースでも「約30種」と、「40種以上」での味の調和の違い。バランスを考えると、40種以上の方に軍配が上がっています。料理を作る上での今後のジュース選びでちょっと参考になるのではないでしょうか。

 ちなみに、野菜ジュースを入れる料理は筆者もよく作ります。例にあがったミネストローネをはじめ、カレー、ミートソースにはガッツリ入れ、他に隠し味としても使います。特にハンバーグの隠し味で、大さじ2杯~3杯(肉300gに対し)加えるのがオススメ。ジュースの水分のおかげで、肉汁はジュワ~。さらに旨味が肉に絡み合い味に深みがでます。初めて作った時、100g95円、しかも5割引きシールがついてた肉を使ったのですが、食べた瞬間「まるで洋食屋の味!」と驚きました。普段食べ慣れている肉でやると、より違いが分かるのでおもしろいですよ。

 肉料理とは特に相性がいいので、まだ試した事の無い人はまず隠し味から挑戦してみるといいかもしれません。また、本格的なレシピが知りたくなった場合には、「野菜ジュース レシピ」で検索してみてください。沢山のレシピが簡単に見つけられますよ。

(宮崎美和子)