演歌歌手の氷川きよしさんは幅広い年齢層にファンがいますが、その氷川さんの人柄を垣間見れるエピソードがツイッターに投稿され話題を呼んでいます。

 ぶんか社発行の「主任がゆく!スペシャル」(月刊)にて「それいけ!せっぷく丸」を連載している漫画家・大塚みちこさんが紹介したエッセイ漫画。そこには昨年3月に他界された、大塚さんのお祖母さんの思い出と、そこにまつわる氷川さんのお人柄が描かれています。

 「氷川きよしが好きだったおばあちゃんの初盆の時の話」というタイトルのその漫画には、昨年の夏の出来事が描かれています。お祖母さんの初盆で親族一同が集まった席でのこと。親せきから差し出された一つのサイン入りのお菓子から話は始まっています。

 差し出されたお菓子には、氷川きよしさんのサインと亡きお祖母さんのお名前などが書かれていました。それには、その場にいた一同びっくりだったそうですが、発端は大塚さんのいとこさん。いとこさんは東京にあるとあるお菓子屋さんに勤務しています。そこに偶然取材で訪れた氷川さん。

 いとこさんは「おばあちゃん!大変や!きよしキタ!きよしキタデ!!生キヨシ!!」と心の中で大騒ぎだったそうですが、なんとか「おばあちゃんがファンでした」と氷川さんに伝える事ができたのでした。すると話を聞いた氷川さん。その場で一つのお菓子を購入し、お祖母さんの名前を聞き出して、そこにサインと「また生まれ変わってもお会いしたい」というお祖母さん宛てへのメッセージを丁寧に書いて「どうぞおばあちゃんに」と託してくれたのだそう。この行為に、深く感銘を受けたいとこさん。話は初盆の席で親族一同に伝えられ、とても心が温まる出来事となったのでした。



 このツイートを見た人には氷川さんの対応に心打たれる人が多く、「素敵なお話で泣けました」という声が続出。また同様に祖父母がファンという人も多く故人を思い出してはいろんな思い出の声をよせていました。

 筆者は老人施設で数年間働いていましたが、やはり氷川さんのファンは多くその人気は絶大。80代、90代でも氷川さんの事を語るときには、まるで乙女のように目を輝かせていたのが印象的でした。演歌番組の放送翌日には「昨日もええ歌歌っとったよねぇ」とファン同士で感想を熱く語るのが日常。

 大塚さんのお祖母さん、晩年には大塚さんの事も憶えているかどうかといった感じだったそうですが、それでも多くの人から愛され初盆の時もやはりさみしさは拭いきれなかったとの事。そんなお祖母さんの事や葬儀の事、その後についてなどは、エッセイ「私はいつか今日のことを思い出す」として電子書籍で出版されています。故人を偲ぶ事やにぎやかなお葬式、寂しさ悲しさはあって当たり前、そんな話がちりばめられたエッセイ、遺していく人も遺されていく人も感じたり考えたりするきっかけになるかもしれませんよ。

<記事化協力>
大塚みちこさん(@mt_mitty)

(梓川みいな)