先週土曜日、『お花摘みセット』なるお菓子がネット上を駆け巡っていました。あるツイッターユーザーが紹介したそのお菓子は見た人皆が驚き、投稿は瞬く間に1万リツイートされるほど拡散。筆者も見た瞬間凍り付き、同時に「これは急いで現場へ行かなければ(使命感)」と確信。というわけで、話題のお菓子を食べに行ってきましたよっと。

 向かったのは東京都中野区にあるArtspace&Cafe MUSA(中野区白鷺2−48−6 白鷺ビルB1F)。普段は静かな大人の隠れ家カフェとして地元に愛される人気店ですが、2018年1月13日、14日には中野区鷺宮のネコ好きが集まって出来た「ネコ部」主催のイベント『大新ニャン会』の会場となっていました。

 今回はネコ部に所属する作家さんたちの作品の展示販売がメイン。その中でのイベントメニューの一つが話題の『お花摘みセット』。『お花摘みセット』は、もう見たまんま猫のおトイレをイメージしたもの。ポン菓子の中にかりんとうが埋められているお菓子で、スコップ3すくい分と、飲み物(コーヒーか紅茶)がついて700円。


 開店早々1番に入店し、席に着くと「すみません、お花摘みさせてください」と筆者。その日の朝、練習(飼いネコのお世話)をしてきたため、7個のお花と砂をとりました。それらは、紙袋に入れるのですが、「ビニール袋だったらよりリアルかも……」と思わず考え込んでしまいました。


 ちなみに肝心のお味は、黒糖のかりんとうが程よく硬く上品な甘さ。飲み物に砂糖を入れなくて正解でした。砂に見立てた玄米ポン菓子はサクサクした中に、うっすらと塩味と甘さがあり、かりんとうを引き立てていましたよ。


 さて、一通り食べたところで、この衝撃的ビジュアルの『お花摘み』セットについて、企画者の方に事情聴取もとい製作経緯をインタビューしてみました。

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■今回『お花摘み』を企画しようと思ったのは?

 そもそも「ネコ部」というのは、ネコ好きが集まって「ネコ部」という部活動を定期的にやっていました。その中で『大新ニャン会』をしようと2017年末にやろうと決まりました。その中でどういうものを出して、楽しんでもらえばいいかという中で、かりんとうをお出ししたらどうか、というところから始まりました。ネコ好きさん、「ネコを飼っている方なら、楽しんでもらえるかもしれないね」という内輪ウケでやってみようかということから始まったものになります。

■画像がかなり衝撃的だったのですが

 そこにいあわせたスタッフ全員がそう思いました(笑)想像以上だったので、作りながら悲鳴を上げていました。これを見た方からお叱りを受けるだろうと思いながら、やるからにはやりましょうと。

■ネコを飼うためには避けて通れないお世話ですよね。

 かわいがるだけじゃなく生活を共にする上で、飼い主さんが共有してネコのお世話をする。ついて回るものですので。(ネコの)健康のバロメーターでもありますし、今回のお花摘みのモノは健康なんだな、とわかっていただけるものだと。悪ふざけと思われるかもしれませんが、真剣に考えて楽しめるものだと思い企画しました。私達も反響がすごすぎて、驚いています。最初は、お皿にかりんとうを乗せて提供しようとしていました。それじゃということで、タッパーに入れて提供しようとしたら、小さすぎるということになり、会議を行いました。さすがにネコ用のスコップ(トイレ処理用)はさすがにダメだよね。それを使ったら、お叱りを受けるだろうと。

■生でみたらかりんとうと判りましたが、画像でみると判りませんでした。朝自宅で、練習(ネコのお世話)をしてきたので「あ、同じだな」と(一同笑い)

 まさかこんなことになるなんて思わなくて、ありがたいと思いつつごめんなさいと。複雑でした。今回のイベントはあちら(ネコ部にいる作家さんたちの作品を展示販売している)がメインなのですが、こっち(お花摘み)が目立ってしまって。これが見に来てくれるきっかけになれば良かったなと。

■今後、イベント等で『お花摘み』が再度行われることは?

 ご要望があれば、ネコにまつわる作品を描かれる方が多いので個展などでトライしたいとおっしゃるアーティストの方がいらっしゃればお出しさせて頂ければと。おうちでも真似できますので、皆さん幅広くパーティなどで楽しんで頂ければいいんですが。

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 実際の『お花摘み』は遠目ではやはりそのものに見えました。ですが、ネコを好きな方なら判るであろう事を真剣に楽しんでもらいたい気持ちが伝わりました。これからネコを飼ってみようと思っている方は、ネコをかわいがるだけじゃない、生活を共にすることはどういう事かも考えてもらえたらと思います。ネコは可愛い!でも……共に生きるということはそれだけではないんですよ。


<取材協力>
猫部@サギノミヤ
Artspace&Cafe MUSA

<記事化協力>
大江戸さん (@Oedo_nekosukiy)

(取材・伊佐木零子)