どこの行楽地に行っても大概見かける、顔ハメ看板。物語の主人公や動物などの絵が描かれた巨大看板の顔の部分が丸く穴がくり抜かれて、裏からその穴から顔を出して記念撮影などする、アレ。

 今回はその顔ハメ看板の新境地を開拓すべく企画された愛知県名古屋市で開催中の『顔ハメ展』内覧会にお邪魔してきました。

 会場は名古屋の中心部にある名古屋テレビ塔。学校法人・日本教育財団 HAL名古屋の協力のもとテレビ愛知と名古屋テレビ塔が開催しています。
会場に入るとまず出会うポスターの「ハメたら違う自分に出会えるかもね」という意味深なキャッチコピーにニヤッとしつつ足を踏み入れると、そこには様々な絵の巨大看板。看板のどこかには丸く穴があけられており、そこから顔を出して遊ぶ事ができるのですが……その看板はどれも斬新。デザイン学校の学生さんが中心となって面白い顔ハメ看板を制作展示しているそうです。

 お買い得品のメザシになってみたり、カップに描かれている某カフェのトレードマーク風デザインの顔を自分の顔にハメてみたり、浦島太郎の世界でいじめられている亀になってみたり、プチトマトの真ん中から顔を出して食べられそうになってみたり。



 折角なので筆者もプチトマトになってみました。食べられそうになる気分が味わえた、かな……???

 中にはかの有名なダビデ像の看板も。顔が出る穴の部分は股間……。ちなみに注意書きもあり「これは顔ハメ看板です。顔以外の部分ははめないで下さい。」と書かれていました。


 学生たちの作品制作に携わった吉田智一先生によると、浦島太郎がモチーフの看板はスマートフォンの写真加工アプリ『SNOW』で自分の顔の部分と他の子供が描かれている顔の部分を取り換えっこして遊んだりする事も想定して制作されているとの事で、他にも、日本のホラークイーン「貞子」を想起させる“井戸からお化けが出てくる”顔ハメ看板には斜め上に手を出す穴が開いているなど、遊び心が随所にちりばめられています。

 こうした看板、面白い方向にアイディアが行くのはやはり男子学生さんが多く、女子学生さんはインスタ映えを狙ってデザインをしていたとの事。先述のダビデ像は一番に構想が決まったそうですよ。

 顔ハメ看板は観光地に古くからありますが、昨今の自撮りブームも踏まえて新しい顔ハメ看板の形を提案していきたいという狙いもあるそうでその観光地の特産品などを生かした顔ハメ看板が増えると地域の活性化にも繋がるのでは、という考えも。

 古い遊園地で風化している顔ハメ看板が、その地域や施設の特長を生かした顔ハメ看板にリニューアルしてそれを使って自撮りしたものをSNSで共有してみてもらう事でより話題に繋がる……新しいコミュニケーションの形に、新しいアイディアとデザインの顔ハメ看板。相性は抜群ですね。

この『顔ハメ展』、12月23日から2018年3月11日まで開催(10:00~21:00)で、入場料は一般/500円 小中学生/300円。
会期中、もしかしたらバレンタイン期間にそれっぽい新作顔ハメ看板が出るかも……?という噂も。ハッシュタグ「#顔ハメ展」でチェック!!

(取材・梓川みいな)