12月6日にGoogleは、「GoogleWEBマスター向け公式ブログ」内「医療や健康に関連する検索結果の改善について 」というタイトルで日本語検索機能の大幅なアップデートを発表しました。(梓川みいな/正看護師)

 Googleは、分からない事に対して検索を促す「ググれ」という言葉も編み出されるほど日本で最も標準的に使われている検索エンジンです。そのGoogleが日本語検索におけるページの評価方法をアップデートした事で医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響すると公表。検索されている語句を分析すると医療の専門用語よりも、一般人が日常会話で使うような平易な言葉で情報を探している場合が大半であり、医療情報を発信している医療関係者へ向けて「ページ内に専門用語が多用されていたら、一般ユーザーが検索でページを見つけることは難しくなるでしょう。内容も分かりづらいかもしれません。一般ユーザーの多くはあなたのサイトの情報にアクセスできていない可能性があります。」とアドバイスしています。

 筆者は正しいを提供するためにしばしば公的機関や大学病院など信頼できるサイトが発表している情報を参考にしていますが、今回のアップデートでどう変わったのかを他の検索エンジンと比較してみました。

 今現在、Googleの検索エンジンは国内で使われるほとんどの検索サービスで使用されています。そこで、Googleの対抗馬としてじわりじわりシェアを伸ばしている、MicrosoftのBingで同じ語句を幾つか比較してみました。

 身体的疾患と精神疾患での病名を複数検索してみた結果、疾患名だけではどちらも似た様な検索結果が上位に来ている様に見受けられます。公的機関や製薬会社のサイトがいずれも上位になっています。しかし、「疾患名+治し方」「疾患名 とは」などの検索ではその違いが一目瞭然という結果に。Googleでは広告が排除され上位の検索結果は製薬会社、クリニックや専門病院のサイトが占められています。一方Bingではページトップ4つが広告、その下に続く検索結果もサイト内に広告をたくさん仕込んであるサイトが上位に表示されています。

Googleの検索結果。疾患名だけだと論文がトップに表示されることも多い


Bingの検索結果。同じ文字列でも結果がかなり異なっている

 2016年11月に医療系キュレーションサイト『WELQ』が不適切な記事を乱発した事が問題となっていましたが、このGoogleのアップデートで未だ残るこの手のサイトがどう変わっていくのかが注視されています。

 時に患者となった人は正確な医療情報も必要としていてもそれ以上にその疾患について、個々人がどんな経過をたどっているのか、闘病仲間がどの程度いるのかなどの情報を欲する事も多くあります。

 今回のアップデートで厚労省や研究所、製薬会社のサイトが検索結果の上位に反映される反面、こうした「患者の声」である個人ブログなどの情報に辿り着きにくくなっているという声も上がっています。正確な医療情報は言うまでもなく必要ですが、不適切とは言えない個人の発信までもが排除されようとしている事に対しては筆者個人としてはどうなのかなぁ……という思いが拭えません。

 ユーザーである私たちができる対策としては、同じ疾患を持つ仲間がいるサイトをブックマークしておくくらいでしょうか。医療についての情報を発信しているサイトは記事内に信頼できる参考文献や引用文献が正しく使われているかどうかも確認すべき項目です。

 【医師監修】という見出しであってもその医師の監修した内容が適切であるかどうか、一般の人は判断ができない事も多いと思います。記事内に引用されている論文が適切なものかどうかも判断が付きにくい事も多くあるかと思います。こうした見出しに踊らされ盲信してしまう前に、参考や引用とされているリンク元を確認してみましょう。キュレーションサイトやまとめサイトなどが引用元である記事よりも官公庁や大学病院、製薬会社などの信頼できるサイトからの情報がリンクとして貼ってあるものを読むことをお勧めします。

 また、患者・当事者の生の声を検索するにはSNSの活用も一つの手段。Facebookのページでは患者会・家族会のようなページも数多く立ち上げられていますのでその辺りを見てみるというのも方法かもしれませんね。

<参考>
Google「医療や健康に関連する検索結果の改善について 」