若い人ほど陥りやすい、対人関係のジレンマ。区切られた環境の中での人間関係は時にややこしくなりがち。そしてそのこじれた人間関係に躓き悩む人も多くいます。そんな対人関係の悩みごとへのお返事を描いた漫画が今ツイッターで話題です。

 人への接し方や気持ちのありようなどを漫画にして度々話題になっている、漫画家のさわぐちけいすけさん(@tricolorebicol1)。最近、若い人からの悩みごとのメールをよく貰うとの事で相談への返信を書いているそうです。

「仲が良かったはずの子に突然無視され始めたが原因不明で困っている」という中学生
「遅刻したり話がかみ合わない友人にイライラするが私の心が狭いのか」と悩む高校生
「同じ研究室で苦手な人がいて、つい避けてしまう」という大学生

 長文で切羽詰まった悩みごとに対してさわぐちさんは親身に長文で返信しています。その中で
「学校は、性格も志も異なる人間が雑多に放り込まれる場所。」
「色々な考えに触れる。そして、各自の価値観で変化していく場所。」
「『同じ集団にいるから』そんな理由で苦しんでまで無理に仲良くする必要が本当にあるだろうか?ただ偶然、同じ場にいるだけの人間に執着するのは勿体ない。自分を大切にしてれる人の存在を見逃さないように冷静な観察を続けて欲しい。」……
といった内容の返事をしたそうです。


 そして後日。さわぐちさんの元へ
「周りの人たち全てから、早く仲直りしろよと言われ続けていていて本当に辛かったです。無理しなくて良いと思えてすごく救われました」
「さわぐちさんの言葉のお陰で冷静に生活できています。そして部活の大会で見事入賞する事が出来ました!」
という感謝のメールが返ってきていました。

 「俺のお陰で相談主が部活で入賞したってさ」とドヤ顔なさわぐちさんに奥様は「練習のおかげだろ」とバッサリ。……まぁ、そうなんですけどね。でもね、相談した結果冷静になれて部活に打ち込めたわけですから。ドヤってもいいと思います。

 この漫画がアップされ、内容を読んだ悩める若者たちからは続々と
「ただ偶然に同じ場所にいる人に執着するのは勿体ない、という言葉が刺さりました」
「若い時は今いる世界が全てで執着したくなくても執着せざるを得ないからこのメッセージに救われました」
「学校を会社に置き換えても同じですよね」
と共感の声が返ってきています。

 色んな世界を見てみないと分からない、世の中の広さ、生活している人の多様さ。受け入れるのと諦めるのは少し違うけど、「こういうモノなんだな」とあるがままを受け入れるには自分の中のこだわりを少し減らす事で割と楽にできるようになるかもしれません。

 「この場で仲良くすべき」「友人だから付き合わなくては」というこだわり、思い込み。全くないのも集団生活を営む上で困りものですが、このこだわりに縛られてしまうと辛くなるのは自分自身なんでしょうね。

<記事化協力>
さわぐちけいすけさん(@tricolorebicol1)

(梓川みいな)