まもなく『鉱物のお菓子 琥珀糖と洋菓子と鉱物ドリンクのレシピ』というレシピ本が発売になります。10月4日時点でAmazonの工芸部門でベストセラー1位にも入っており、ネットでも興味をもった人が続々とSNSにコメントしています。表紙を見ただけでわかるその美しさ……あまりに気になって仕方なくなったので、出版社である玄光社に出版までのいきさつなど話をきいてみました。

この本、実は著者であるさとうかよこさんが鉱物を見て「美味しそう」と言ったことから着想を得て作られたものだそうです。「真夏の昼下がりに、冷やして食べたい蛍石や、秋の夜、熱い珈琲とともにいただきたいオーケン石、とっておきのワインや日本酒で味わいたい辰砂(しんしゃ)…」こんな風に想像を膨らませ、食べられる鉱物標本を作ってみて出来上がったものが本になるんです。

内容は琥珀糖の蛍石や水晶、シュクルの鉱物欠片、シュトロイゼルとドライフルーツの柘榴石、燐灰石や薔薇輝石の鉱物ソーダ、菫青石のカクテルなどなど……鉱物が好きな人ならば色などが想像出来て美しさが想像できるかもしれません。
実際にページを見てみると、一定方向に割れ、細工のしやすい蛍石は美しい八角形の琥珀糖のお菓子に、色も紫や青など美しいですね。魔除けにも使われ人気の紫水晶、シトリンこと黃水晶もパワーストーンとしては有名なので、作りながら、そして鉱物に詳しくなくても食べるパワーストーンとして楽しめそう。そして鉱物の中でも4番目の硬度を誇るエメラルドの美しい緑色やアクアマリンの水色も美しいですよね。




こちらのレシピ、作るのはちょっと難しそうと思われている方には朗報です。毎週土曜日だけオープンする都内のカフェ雑貨『cafeSAYA & きらら舎』(@cafeSAYA)で、10月28日から『鉱物のお菓子』に掲載したメニューを提供するのだそうです。ワークショップも開催されます。お店で出されるメニューはイカスミパンのオープンサンド、スターマイカとブドウ石に見立てた葡萄の盛り合わせ、硫黄などです。スターマイカの星部分は自分で好きにさせるそうなので、楽しみですね。焼き菓子はテイクアウトできるようになっている他に、アドリア洋菓子店でも販売されます。ワークショップでは、マジパンでカルセドニーや藍銅鉱を作って、琥珀糖が入った標本箱をイメージしたトリュフのギフトボックスにラベルを添えて入れて持ち帰るものになるのだそう。藍銅鉱の形や色を作るのって神秘的ですよね。しばらく飾っておきたくなるものが出来上がりそうです。もちろん、その場で食べることもできますよ。

なお、本書には著者・あるさとうかよこさん(cafeSAYA & きらら舎)、琥珀糖の製作販売をする専門店・シャララ舎、東十条の商店街の中にあるアドリア洋菓子店も参加しています。美しいお菓子を作り上げる最強メンバーで挑んだ『鉱物のお菓子 琥珀糖と洋菓子と鉱物ドリンクのレシピ』は価格1,700円(税抜)。10月30日の発売です。

(天汐香弓 / 画像提供・玄光社)