伸童舎株式会社・取締役会長の野崎欣宏さんが1月10日に死去したことが分かった。同社が発表した。享年75歳。

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 野崎さんは、日本アニメーションの基礎を築いた一人と言われている。手塚治虫さんの『鉄腕アトム』から手塚アニメに携わり、虫プロダクションの資料室にて、のちの週単位アニメーションの基礎を築く「バンクシステム」の構築、「設定制作」という職種を確立するなど、現在のアニメーション制作になくてはならないものに貢献。

 通夜並びに告別式は、野崎家と伸童舎株式会社との合同葬として行われる。場所は所沢市斎場・第一式場。通夜が1月19日18時から19時、告別式が1月20日10時から11時に行われる。葬儀委員長は野崎さんの次男であり伸童舎株式会社 代表取締役社長の野崎伸治さんがつとめる。なお、遺族の希望により「誠に勝手ながら御香典、御供花、御供物の儀はご辞退申し上げます。」としている。

■野崎欣宏(のざきよしひろ)略歴

▼虫プロダクション時代
手塚治虫のもと、1963年日本初のTVアニメ『鉄腕アトム』からアニメ制作に携わる週単位でのTV放送を可能にした「バンクシステム」や「設定制作」の確立に貢献。『ジャングル大帝』他多数の虫プロアニメ作品制作に携わる。

▼虫プロ後
・オフィスアカデミーに招集され1974年放送『宇宙戦艦ヤマト』のプロジェクト参加。
・『宇宙戦艦ヤマト3』プロデューサー。
・業界初となるアニメ作品のデータを網羅した『宇宙戦艦ヤマト記録全集』を出版する。
・1976年日本サンライズ(現:サンライズ)の創業に参画。
・1976年から、長浜ロマンロボ三部作『超電磁ロボコン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテス V』(前2作は製作担当)『闘将ダイモス』に参加 。(制作:朝日テレビ・東映・東映エージェンシー、製作協力、東北新社・創映社(日本サンライズ))
・アニメのセルを利用した児童書、アニメ絵本『世界の名作絵本』シリーズ等を出版各社の枠を超え制作・プロデュースを手がける。
・1976年江古田で、アニメマニアの梁山泊となる『漫画画廊』をプロデュース。ゆうきまさみ、川村万梨阿、とまとあき、出渕裕、井上伸一郎(KADOKAWA 代表取締役 専務)ら後の多数のクリエイター・業界関係者が常連として通う。
・1981年伸童舎創業『ガンダム記録全集』『デュアルマガジン』などセル画付きアニメムックや雑誌を編集。
・『青の騎士ベルゼルガ物語』企画プロデュース。
・機動戦士 Z ガンダム』『機動戦士ガンダム ZZ』のデザイン協力。
・オリジナル企画『聖刻(ワース)』シリーズをプロデュース。
・小説『聖刻1092』シリーズやテーブルトークRPG『ワースブレイド』シリーズを中心に、コミック、コンシュマーゲーム、カセットドラマ・ドラマ CD などメディアミックス で展開。
・幡池裕行、千葉暁、日下部匡俊、藤田一己、明貴美加、岡本英明、シイバミツヲら数多くのクリエイターを排出する。