遠い昔、遊女たちは魚の浮袋や和紙などを避妊具として使用していました。しかし当然ながら避妊成功率は低く、最後は柄杓の柄を抜いて神頼みするしかありませんでした。

 そんな時代を経て現在の日本ではコンドームを使用する避妊方法が一般的となり、使用すれば9割以上は望まない妊娠を防ぐことができるようになりました。また、認可されて10年以上経った低用量ピルの普及も徐々に広まりつつあります。

 

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仲の良いカップル

 さて、避妊すれば高確率で妊娠を防ぐことができるのにも関わらず、巷では安易で間違った避妊方法が都市伝説レベルでまことしやかに流布され続けています。

 今回はよく聞く間違った避妊方法、そしてちょびっとだけ避妊をしたがらないダメ男の典型例までご紹介。

■え、それ間違ってたの!? という方法も含まれている

1:ビニールやラップで覆う
男性器をビニールやラップで覆って使用する方法。言わずもがな論外です。
動いている間に隙間から精子が入り込む可能性が非常に高いのはもちろん、互いの性器を傷つける可能性が高いです。まさかこんな人が今時……と思うかもしれませんが、恐ろしいことにまだいたりします。コンドームが手元にないから試す例が多いようですが、過去に実践者から聞いた話によると「後悔した……」とのこと。かなりの痛みと後悔だけが残るそうです。

2:コーラで膣内洗浄
かなり昔から広まっている方法です。コーラに精子を殺す力はありませんし、膣内に入った精子はすぐに卵子に向かうため洗浄が届く範囲でどうにかできるものではありません。また、水や膣内清浄液を使用しても同じくです。

3:使用済みコンドームの再利用
一度使用したコンドームをよく洗浄して乾かしてから再利用する方法。エコロジーですね~って感心するわけないでしょ!
コンドームは1度使用すると再利用できません。1度の利用でゴムが伸びてしまうからです。何度も使用できる耐久性はもちあわせておらず、さらに洗浄し乾かすことでさらなる劣化を促進し、すぐ穴が空くなどもろくなり、避妊に失敗する確率が高くなります。

4:膣内射精後飛び跳ねる
飛び跳ねても精子が全て外に出てくることはありません。

5:外で射精
避妊対策を何も取らないままに行為を行い、最後に外で射精。これも避妊にはなりません。行為中や直前に引き抜くときの刺激などで中に漏れ出ている可能性が高いからです。

6:後からコンドームをつける
行為の後からコンドームを装着する場合もアウト。射精前から徐々に精子が漏れ出ている人は案外多いそうです。
男性の中には「ちょっとだけ」「先っぽだけ!」と彼女に懇願し最初はコンドームを装着せず行為に及びたがる人がいるようですが、ちょっとでも先っぽでも最初からコンドームを装着しない限りは完全な避妊効果は得られません。

7:生理中の行為
よく生理中にセックスをすれば妊娠しないと言われますが大きな間違いです。一般的に排卵の2週間後に生理が起こり、生理後1週間後に再び排卵が起こります。しかし、この再び排卵する時期が生理の時期に何らかの理由で重なることは多いにありえるのです。

8:オギノ式
勘違いされがちですが、毎朝体温を測定して排卵の時期を狙うオギノ式は妊娠したい人のための手段です。つまり妊娠しやすい危険日を見つけるためのものですが、中にはその危険日を外せば「避妊具しなくても大丈夫!」と考えている人がいるようです。危険日以外でも適切に避妊をしなければ妊娠します。

9:使用期限切れや保管状態の悪いコンドームの使用
コンドームの使用期限は箱に書いてありますが、日本では一般的に5年が理想と言われています。割と使用期限が長いためつい期間を忘れがちですが、それを過ぎると劣化することがあり、避妊には適しません。
また、例えその使用期限内でも直射日光、防虫剤、高温によって劣化することもあり、使用中に割れたり穴が空いたりすることも。財布に入れ持ち歩く人がいるようですが、実はこれ最悪な保管方法といわれています。財布の中にあるコイン、カード類の圧迫などで劣化を早めることになるそうです。

■こういう男には気をつけろ!自称「パイプカット男」と「種なし男」

 近年、女性の中絶率は減少傾向にあります。それは低用量ピルの普及や正しい避妊方法が誰でも手軽に調べることのできるインターネットで確認できるようになったからだそうです。しかし、自分で調べるよりも人の意見を真に受ける人は多く、そのほとんどは生活能力のない中高生です。早い場合は小学生で経験してしまうなんていう場合も……。しかも誤った避妊知識のまま……。

 大人であれば正しい避妊方法を自分で調べ、学ぶことが大切。特に女性の場合は避妊に関し男性の言うことを安易に信用しないこと。上記に書いた「先っぽだけ」「ちょっとだけ」なんて懇願され情に流されないのは勿論、たまーに聞くのが「俺パイプカットしてるから」という自称パイプカット男と、「俺種なしなんだ」という自称種なし男。こんな事をもし言い出す男がいたら、まず「医師の診断書持ってきて」と言ってみましょう。

時にはつっぱねる事も大事

 たまに聞く話ですが、「パイプカットをしている」と言っていた彼が実はしておらず、「種なし」を自称していた彼はたまたまこれまで妊娠させなかっただけで、さらに調べてもなかった種有りだった。彼女が妊娠し、男女間トラブルとなるケースを過去何度か耳にしています。

 そして、お子さんの場合はというと……「まだ子供なんだから早い!」と言い聞かせることは意味がなくむしろ親への反発から早く経験してしまう可能性も高いため、まずは正しい避妊方法をちゃんと親が教えて上げることが大切になってくるでしょう。望まぬ妊娠で体も心も傷つけるのは女性。特に女性側には正しい避妊知識、男の言うことに惑わされないメンタリティ……は人によって難しいかもしれませんが、少なくとも上記のような詐欺例を知っておくだけでも多少避妊意識としてお役立ていただけるのではないでしょうか。

(文:貴崎ダリア)