携帯電話が一般的に普及し、20年以上たとうとしますが、どうやら今の10代にとっては普及以前の出来事は驚愕すべきことのよう。そんな話題が今ネット上で笑いを誘っています。

 発端はメディアプロデューサーでブランドコンサルタントの守山菜穂子さんがTwitterに紹介したこんな内容。

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▼守山菜穂子さんTwitterアカウントより(@nao_moriyama

カフェにて。隣の席で「携帯電話が無かった頃、人はどうやって待ち合わせしていたか」の説明をアラフォーの人がしていて、聞いている10代が「マジすか!」を連発してる。「え!公衆電話ってそこらじゅうにあったんすか!マジすか!」「10円玉入れるんすか!」「テレカっつーのがあったんですか!」

「昔の人は時間厳守だよ。一度、家を出ちゃったら連絡が全く取れないから」「渋谷に着いたら連絡してね、とかできないから」「伝言板っていう黒板があったんだよ、駅前に」「マジすか!」「<××時まで待ったから帰るぞ 野口>」とか書くんだよ」「マジすか~!野口いっぱいいたらどうするんすか!」

10代クンの「人と待ち合わせして、会えるかどうかわからないなんて、どうぶつの森みたいっすね!」っていうのには笑った。確かにそうだなあ。ポケモンGOより会える確率が低かったかもしれない。
(引用ここまで)

 今でも公衆電話はありますが、確かに普及してから使用する頻度は誰しも激減しています。そのため使い方を知らない人や、テレホンカードを知らない人がいてもおかしくはありませんが、そこまで驚くほどのことになっていようとは……。昭和生まれの筆者としては逆に驚きです。

 他にもまだ一部では現役の伝言板という黒板にチョークでメッセージを書く掲示板も上記の通り知らなかったようす。昔は駅で待ち合わせていて急用ができれば、掲示板にメッセージを残し友達に知らせたものですが、今や携帯さえあればLINEやメールでメッセージをすぐ送ることのできる時代。しょうがないといえばしょうがないですね。

■ 昔は彼女に電話するのも一苦労だった

 携帯電話普及以前の話として、好きな女の子に電話をかけるという行為は当時の男性にとってかなりハードルの高いものでした。

 昔は家の固定電話しか無かったため、家族と住む女の子の場合、かけて確実にその子が出るとは限りません。お母さんや兄弟であればまだいいですが、運悪くお父さんだった場合には無言で電話を切られるか、怒りが伝わる声色でプレッシャーをかけられつつ取り次がれたものです。

 友達には根掘り葉掘り関係を聞かれた上お説教されたなんて人もいました。それぐらいハードルが高かったのです。

■ ネット普及前は雑誌や新聞で「ペンフレンド募集」 専用誌「じゃマール」もあった

 今や携帯に限らずネットも普及しているので、人と人とのつながりについては以前より簡単に、さらに出会うきっかけも簡単になっています。

 ところが一昔前だと「新しい友達欲しいな」と思ってもそう簡単にはいかなかった時代。そこで大活躍したのが新聞や雑誌での「ペンフレンド募集」。そう、雑誌や新聞に住所や名前を掲載してもらって友達を募集したのです。もしかすると「ペンフレンド」という言葉自体今や死語かもしれないので補足しておきますが、ペンフレンドとは文通友達のことです。

 少女誌など雑誌によっては個人情報を掲載せず編集部が取り次ぐところもありましたが、そのまま掲載するところもかなりありました。筆者は最近みかけたことはありませんが、一部まだあるなんて話も。ただ流石に昔ほど大ぴらには個人情報を掲載したりはしていないでしょうが……。

 さらに後の年代になると、専門誌「じゃマール」も誕生します。リクルートフロムエーが1995年から2000年まで発行していた月刊誌で、ページを開けば色んな人の友達募集や物の個人間取引が掲載されていました。個人間取引は今で言うヤフオク!みたいなもの。いらない物、いる物を「売ります・買います」と掲載していたのです。 最初は首都圏中心でしたが人気のため、北海道版、東海版、関西版、九州版と全国区で発行されていました。

 ネットにSNS、ネットオークションが無かった時代の話です。今思えば恐ろしいことですが、昔は個人情報を晒されるじゃなく、晒すスタイル。割とごく当たり前に行われていました。そう考えると時代とともに今のようになったのは分からなくもありません。ただ昔を振り返ると、あれはあれで面白かったな。そんな風にも思えますね。

(文:HideI)