アレルギーとは痒くなったりブツブツが出たりするだけの「ちょっと困る」程度の症状だと思っている人や、そんなアレルギーを引き起こす物質が非常に限られたものであると思い込んでる人は少なくないようです。

アレルギーは本来は病原性のないものに対して体の免疫が過剰反応してしまうことを指します。アレルギーの程度に差はあれ、その物質に限りはありません。

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花粉症のイメージ

■子供の場合は「好き嫌い」と誤解されがち

中でも口腔アレルギー症状を持つ子供達にこのごろネットで注目が集まっていました。この症状は、子供に限らず花粉症を持つ人に多いとされており「花粉・食物アレルギー症候群」とも呼ばれています。
しかし表面上見えるアレルギーではないため、認知度はやや低め。特に子供の場合には違和感を訴え「食べたくない」といっても「好き嫌い」と誤解されることも多いそうです。

食物を摂取してから30分以内に喉、鼻の中、唇などの粘膜部分がイガイガする、ピリピリする、痛くなる、痒くなる、顔が浮腫む、肌に赤いブツブツが出る(蕁麻疹)、気管支や食道が狭くなったような気がして苦しい(呼吸困難につながるため要注意事項)、などの症状が出た場合は注意が必要。また、加熱したものよりも生で摂取したほうが症状が出やすいなどの特徴があります。

子供のアレルギーには要注意

■フルーツや野菜を食べ違和感があったら注意

ヒノキやスギの花粉に反応する人はトマト、シラカバなどのカバノキ科などの花粉に反応する人はリンゴ、モモ、イチゴ、大豆、ピーナッツなどに、カモガヤなどのイネ科の花粉に反応する人はメロン、スイカ、バナナなど、そしてキク科の花粉に反応する人はキュウリ、ニンジン、セロリなどに反応するそうです。

対処法はとにかく原因となる食物を食べないこと。必ずしもこの食物に反応するわけではありませんが「何か食べたらイガイガした」という人は重篤な症状を引き起こす可能性もあるため、日ごろから注意するようにしてくださいね。

確定診断が必要だという人は皮膚科でパッチテスト(皮膚アレルギーテスト)を受けてみるのもいいかもしれませんが、テストに反応が出ない場合でもアレルギー症状が出ることがあるそうです。特に子供の場合は成長により体質が変化します。「今まで平気だったのに」「好き嫌いかしら」と思い込まず、ぜひ子供の声に耳を傾けてみてください。

酷いときは食後もどすそうです

▼参考
花粉症患者に合併症 口腔アレルギー症候群(岐阜新聞)
口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群(渋谷内科・呼吸器アレルギークリニック
口腔アレルギー症候群(OAS)(ミルディス皮膚科)

(文:大路実歩子)