『カメラバカにつける薬』(著:ていこくらんち)という同人誌を読みました。
この本の中に、こんなくだりが出てきます。
「沼と呼ぶな!温泉と呼べ!」

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沼ではなく、温泉と呼ぼう

例えば「レンズ沼」。カメラ好きの多くが羅患する病?で、交換レンズを次々購入してしまうことをさします。でもこれを「沼」というネガティブイメージではなく、「温泉」という明るいイメージで言い換える。
レンズを買えば心地よくなり、「疲れを癒やし、体はリラックス 症状が収まる、いいことづくし……」「ああ、また温泉が欲しいなあと思うところもレンズと同じ……!」。まさに温泉。しばらくするとまた新たなレンズが欲しくなる、そんなところも含めて温泉に似ているではないか、と。

なるほどいい呼び名ですね、温泉。
鉄道模型温泉。新製品が出ると欲しくなる。手に入れるとなんとも言えない満足感があり、気分は癒され、ストレスも解消。まさに温泉。生産限定品や、貴重な中古の良品を入手した時などはまさに秘湯を見つけた時のよう。

いわゆるモノを集める・こだわるオタク系趣味のほとんどは、沼から温泉に言い換える事ができるのではないでしょうか。
おたく系以外でも、ファッションやコスメなどもこの部類に入りそうです(ただ、最初から沼だなんて思ってないかもしれないけれど)。
沼から温泉へ。言い換えるだけでだいぶ世界が変わる気がしませんか?フィギュアもテニミュもコスプレもとうらぶも爬虫類もみな温泉。ちょっと係わってみたいだけなら足湯をどうぞ。足湯が気持ちよければ共同浴場へ、個室貸切露天風呂だってありますよ。山奥の秘湯には幻の逸品も……。
温泉はひとつの分野に一つではないのもまたポイント。いい湯だったなと思ったら、向こうにもまた同じ分野の別の温泉が見える。見つけると、泉質を調べ、入湯料を調べ、周囲の環境を調べ……と、温泉にハマっていく。
いいですね温泉という呼び名。いろいろ調べて、あれこれ調整して、やっと入れた温泉は、きっと明日の活力になりますよ。そりゃまあ、たまにはハズレも引くかもしれませんけれども、沼でなく温泉だと思えば気分もちょっと変わってきます。

いかがしょう。沼から温泉へ、呼び名を変えてみては?
まぁ実質のところは何も変わっちゃいないんですが、ちょっとポジティブになりませんかね?何より、入っている本人が気分よく過ごしているのですから、これはもうヌメヌメした沼ではなくさわやかな湯の温泉に違いありません。

さぁて、今日の温泉は……

(文:エドガー)