2015年5月5日でテレビ放映から22年が経過するテレビアニメ『海がきこえる』。

原作は氷室冴子さんによる小説(アニメージュにて連載)で、挿絵は近藤勝也さん。制作のクレジットがスタジオジブリ若手制作集団となっている点から見ても、この頃から既にジブリの若手育成に力を注いでいたのがみてとれますね。

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テレビアニメ『海がきこえる』

その後の1995年には高畑勲監督が、1998年には宮崎駿監督が公募により少数精鋭の演出家養成を目的とした『東小金井村塾』を開くなどしていました。

後の宮崎駿監督作品である『千と千尋の神隠し』のリン役で有名な玉井夕海さんもこの塾生だったということはよく知られています。

と、ちょっと話がそれてしまいましたが(いつものことか)この『海がきこえる』は、日テレ開局40周年記念番組として放映され、当時17.4%もの視聴率をたたき出しました。

単純に17.4%という数字だけでもすごいのですが、もっと言わせていただくと放映された時間がゴールデン枠ではなく夕方の16時からという点。どれだけ当時の注目度が高かったかを示すには充分過ぎる材料ですね。そんなことも受けてか、単館での上映までされました。

今回はそんな『海がきこえる』グッズを紹介しようと思ったのですが、全国劇場公開ということでもなかったのでグッズは非常に少な目。くろすけ涙目と言いたいところですが、、ここはグッズ収集家の意地の見せ所!今回も頑張って紹介していきますよー!(涙目)

まずは試写会状&パンフレットから

非売品パンフレット

非売品パンフレット

1992年の『紅の豚』公開後のスタジオジブリには公開予定をしている作品がなく、「一年間ジブリをお休みにする」かどうするかを考えていたそうです。

そこで鈴木さんが「年寄りは手を出さずに若手に作品を任せる」というのと、『海がきこえる』というのがある。というのを紅の豚の制作佳境に入っていて思考能力の低下している(笑)宮崎監督に鈴木さんが案として持ち込みました。
策士、鈴木敏夫(笑)の思惑通り、宮崎監督は、たいして考えもせず「いいんじゃないですか」とGOサインを出したそうです(笑)

試写会状 表

試写会状 表

試写会状 裏

試写会状 裏

テレビスペシャル的な枠での放送なのに、完成披露試写会や内容は1993年1月号に掲載された『海がきこえる』の特集記事の再掲載とはいえ、冊子状のパンフレットを作るというのもすごいですね。スタジオジブリの今後を支える若手集団の育成もふまえた本作に対する力の入れ具合が伺えます。

23話収録分アニメージュ

23話収録分アニメージュ

第1回の扉絵

第1回の扉絵

1990年2月号の連載開始より、1992年1月号まで(1992年2月号は未掲載)の全23話での構成。このアニメージュの連載が終了後にハードカバー版の『海がきこえる』が書籍として出回るのですが実は細かい設定などが変えられており、小説版にはなかった部分がアニメージュ連載版にはあったりとマニア泣かせだったりもします(笑)
しかし、その違いを見つけるのもある意味では「楽しみ」であり、海がきこえるならではの魅力の一つと言えるのかもしれませんね^^
それではまた次回をお楽しみに~。

(文:非売品ジブリグッズ収集家 くろすけ/@kurosuke4313