fumikiri毎度すばらしき趣味の世界のようで実はそうでもない話題をお届けしております「無所可用、安所困苦哉」でございます。

しばらく生物ネタが続きましたので鉄道に戻ってまいります。でも鉄道のご紹介ではなく、鉄道ファンが日常してしまうこと、考えてしまうことのご紹介です。もちろん、すべてのファンがそうだというわけではございませんので、そのおつもりで。

【関連:第55回 キモい!は勲章~爬虫類両生類を超えた領域「奇蟲」のおはなし~】

fumikiri


○普段利用しない路線に乗ると、車内の路線図を見てしまう

遠く旅行した場合はもちろんのこと、ワタシの場合ですと東武、西武あたりはあまりご縁がありませんので、乗車するとつい路線図や停車駅案内を見てしまいます。鉄道ファンですからどう乗り換えるかなんてことは見る前でもなくわかっていても、です。さらに今では乗り換え案内サービスなどでどこでどう乗り換えるかなど路線図を見る必要性は少なくなってきたいるのですが、路線図をみていると不思議とわくわくするのです。

○好みの車両でないからと、乗車しないことがある

本数の少ないローカル線ではできませんが、都市部の路線で、複数の車種がある場合にこういうことをしてしまう場合があります。JRになりかなり画一的になってきてしまいましたが、国鉄時代は一見同じ形でもじつは細部が異なるなんてこともありました。また私鉄、特に地下鉄は乗り入れにより他社の車両が入ってくる場合があり、自分の好みの車両が来るまでちょっと待ってみたりします。撮影したいとかではなく、単に移動手段として使っているのに、です。

○乗りつぶしとは、どこまで入るのか考える

ワタシはあまり乗りつぶしはしないのですが、それでも考えはします。
ちょっと前に発売された、乗車区間にペンでマークをしていくための地図帳があります。この地図帳は鉄道路線だけを書いてあるのですが、徹底しており、廃線も載っているだけでなく、森林鉄道や立山砂防軌道など現役だけど現実的に乗れない路線まできっちり掲載しています。ですが、「遊具」に当たる遊園地の豆汽車は書かれていません。ロープウェイは乗っていますが、スキーのリフトはありません。どこまでが乗りつぶしの範囲なのだろう??なんてことは、鉄道ファン以外の人は普通悩みません。

○自動車に乗っていて踏切が閉まると「ラッキー」

自家用車でもバスでもタクシーでも、踏切にひっかかるのは普通あまり歓迎されません。が、ワタシなどは閉まると「ラッキー、何来るかな?」と思ってしまいます。地元の見慣れた路線はもちろん、地方のローカル線などではテンションが高まります。また貨物専用の鉄道では相当ドキドキします。仕事の出張でお客様が運転してくださっている場合など、実はテンション上がっているのを気づかれないかとハラハラドキドキです。

○鉄道の車庫があると見てしまう

パソコン通信時代の逸話です。とある関西私鉄に乗った某氏、先頭車両一番前の、進行方向右側(運転手さんのいない側:前がよく見える)を目指しましたが、そこには先客が。そこで運転手席のすぐ後ろの席に座りました。そして、きっと彼も鉄道好きであろう、それは車庫の横を通過するときに、車庫をのぞき込んだら間違いなし、よし観察しようと心に決めます。しかし判断することができなかった。なぜか?それは、某氏自身がいつものクセで車庫を見ていたからです。

○工場や駐車場のゲートのレール幅が何mmか気になる

工場や駐車場にレールの上をころがす扉がついている時に、このレール幅は……と思わず気になってしまうのです。これが610mmとか762mmとか、鉄道・軌道で使われた幅だとちょっと嬉しくなってしまうのです。ワタシも一時期、巻き尺を携帯しようかと思ったことがありました。
コレについては子どもの頃の思い出があるのです。実家の近所の工場の門扉がまさにレールに扉だったのですが、なんと鉄道のような分岐(ポイント)があり、別れた線路はややきついカーブを描いて工場の中に入っていくのです。門扉の大きさからすると曲がれるものではなく、子どもの特権を活かして、工場の昼休み時間帯を狙って、なんでこの扉のレールが工場に続いているのかを聞いてみました。しかし、昔からこうなってるなぁと、理由を知っている人がいません。レールの先には何かあるのか聞いてみたところ、使っていないけどトロッコがある、と教えてくれました。何度か通ってついにトロッコを見せてもらえました。車輪に平たい台をつけただけの簡素なものでした。そうしているうちに会社のちょっと偉そうな年配の方が来て、トロッコの秘密がわかります。かつては建物の配置の関係でトラックが工場に入れなかったので、トロッコのレールを門扉とつないでトロッコが外へ出れるようにしておき、門に横付けしたトラックから荷物を運んだとのこと。しかし道を塞いでしまうので、交通量が増えるに従い苦情が来るようになり、建物を建て替えて今のようになっている。レールをはがすとお金もかかるのでそのままにしてある、と。今はもうこんな工場は無いでしょうが、見ればやっぱりレール幅が気になるのです。

(文・写真:エドガー)